5Gは時期尚早? 5Gを掴むまでは苦労したが、未来の片鱗を体験

写真拡大 (全4枚)

携帯電話各社が今春からスタートした「5G」。
次世代通信規格としては、2010年末にスタートした「LTE」「4G」からは約10年ぶりの新規格で、先行する海外より約1年遅れてのスタートだったこともあり、業界やコアなファンからは「やっと」や「遂に」と、5Gの開始を心待ちにしていた人も多い。

もちろん、こうした記事を書く以上筆者もサービス開始から間もなくして5Gに対応したスマートフォンを契約している。

しかし、サービス開始から間もなく半年が経過する中で、5Gの電波を掴んで通信できたのはたったの1度だけ。

今回は筆者が5Gを掴むまでの苦労をご紹介する。


○5G対応エリアは限定的
5Gに対応したスマートフォンを持っていて、契約も5Gに変えていても肝心の5Gの電波が飛んでいなければ5Gの恩恵を受けることは難しい。

例えば関東圏であれば「国道17号の内側」や「1都3県のターミナル駅」などが、新しい通信サービスの開始時にエリアになっていることが多いのだが、携帯各社の5Gサービスは「エリア」というよりも「スポット」での展開がほとんどだ。




例えば上記はauの5Gエリアマップだが、その中の「赤い点」が5Gのエリアとなる。
先にも書いたようにエリアというよりは、限られたスポット(点)での展開のみとなっている。

これはほかの事業者も同じで、特定のお店や施設でしか現状5Gを利用することができない。


○最寄りの5Gエリアまで片道10km、約1時間



筆者が今回契約したのはNTTドコモの5Gで、住んでいるさいたま市内で5Gが利用できるのは市内のドコモショップのみだ。
このドコモショップは市内とはいえ、20年ほど前の合併で広くなった市内の南端のショップ。
筆者宅からは10kmほど離れた場所なので気軽に5Gサービスを利用できるとは言い難い。

そうは言っても、せっかくの5G対応のスマートフォンに5Gの契約。
試さない理由はなく、片道約1時間をかけエリアになっているドコモショップまで出かけた。

しかし店舗の前まで行っても5Gを掴むことができなかった。

試しに行った時期はまだドコモショップの営業時間が時短営業になっている時期で店内に入って試すことはできなかった。もしかしたら店内に入れば5Gを利用することができたのかもしれないが、ショップの窓にスマホを近づけても掴めないあたりかなり5Gでの通信を行うには条件がシビアなことがうかがえる。

1時間ほど店舗近くで5Gでの通信ができないか試したものの、この日はどうやっても5Gを掴まず、成果のないまま諦めて自宅に戻ることになった。


○都内のショップ前でやっと5Gを利用
それから数日してから、都内に出かけなければならない予定ができた。

都内であれば筆者宅付近よりも5Gが利用できるスポットが多いため、こちらであれば掴めるかもしれないと期待して立ち寄り試すこととした。

こちらも試す際にはショップの営業時間を過ぎており、店内に入ることが難しかったため店舗の前で5Gを掴めるかのテストを行った。




店舗前をただ通っただけでは5Gを掴むことはできず、一か八かで店舗の窓に近づいたところやっと5Gを掴んでの通信を行うことができた。

通信速度を測定すると1Gbps近い通信速度を記録。
同じ場所での4G通信は300Mbpsほどだったので、より高速な通信が行える5Gのパフォーマンスの片鱗を見ることができた。

5Gのメリットは通信速度だけでなく、通信遅延が少なくネットワーク越しの相手とのやりとりがよりスムーズに、リアルタイムに行える点などにある。
そのため「通信ができた」「速度が出た」など、現状のエリア展開だけでは5Gのメリットを活かすことが難しい。
・5G対応端末が多く普及すること
・5Gのメリットを活かせるサービスが出てくること
こうならなければ意味がない。

また5Gは現時点で4Gよりも高い周波数でしか提供されていないため、障害物の影響を受けやすくエリア展開が難しいという弱点もある。

確かに5Gには期待も多いものの、エリア展開の難しさや5Gを活かせるサービスが増えてこないことには「5Gはまだ不要」なのかもしれない。

しかし実際につながりさえすれば、わかりやすい「高速な通信速度」のように「未来」が見える部分もある。
5Gを掴むための苦労はかなり大変だったものの、携帯電話の未来を感じるという意味では有意義な体験だった。


執筆 迎 悟