Image: Terekhova (Flickr)
グランド・ジョラス山

イタリア・アルプス北西部にある氷河が崩れ落ちる可能性が高まっています。このニュースもまた、気候変動を止めるために行動を起こせと世界のリーダーたちに促す理由になりそうですね。

原因はもちろん気候変動

先週9月25日、グランド・ジョラス山のプランパンシュー氷河を観測中の科学者たちは、この氷河について警鐘を鳴らしました。900万立方フィート(約25万立方メートル)の氷塊が崩壊の危機にあって雪崩が起きるかもしれないため、ハイキング中や下方の道路を旅行中の人たちを脅かしています。こうなった原因? もちろん気候変動です。

この氷河は特に脆いと、コロンビア大学のClimate and Society programの共同ディレクターで「海洋・雪氷圏に関するIPCC特別報告書」の筆頭著者であるBenjamin Orlove氏はEatherに教えてくれました。その理由は、谷の急斜面に氷河がへばりつく「懸垂氷河」だから。他の氷河が下から支えていたのですが、その氷河は縮んでしまったのです。プランパンシュー氷河は持ちこたえるしかありません。

「氷河を失うたびに悲しくなる」とOrlove氏はEather宛てのメールに書いています。「この山を知っていて気にかけている地元の村民、この山に来る日を夢見るハイカーや登山者、そしてアルプスを大切に思うヨーロッパにいる多くの人々にとって悲しいことだ。アルプスの最高峰モンブランの名は『白い山』という意味だが、その白さは減りつつある」と。

今世紀半ばにはアルプスの氷河が半減するかも

New York Timesによれば崩壊する可能性は「高い」ものの、研究者らは具体的な日付を述べるに至りませんでした。このニュースのタイミングは、これ以上ないほど不吉です。スイスでは先週末、アルプスの別の場所で消失した氷河の「葬送行進」が行なわれ、アイスランドでも先月、似たような「葬儀」が行なわれたばかりです。今年の春に発表された研究は、今世紀半ばにはプランパンシュー氷河が位置するアルプスの氷河の表面積が半減するかもしれないとしていますからね。

「アンデスとヒマラヤにあるたくさんの氷河が消失していて悲しみを生んでいるが、あまり報道されていない。だから、これはよくある話の1例なんだ」とOrlove氏。「主な原因は気候変動。氷河は上昇しつつある気温にとても敏感だ。春が完全にやってくると冬の雪がすぐ溶けるように、涼しかった時代からの氷河は急速に溶けている」

氷河の「死」はまだ減らせる

氷がすべて溶けてしまった時、海面レベルは上昇します。 気候変動に関する政府間パネルが水曜日に発表した前述の画期的な報告書によれば、2006年から2015年にかけての海面レベル上昇にはグリーンランドと南極以外の氷河も3分の1ほど影響していたとか。これは、海面レベルの上昇によって最悪の結果になりえる低地の都市や島国の人々にとってはマズい事態です。イタリアでは地元住民が氷や雪崩の崩落を心配しており、心の底から脅威を感じています。

それでも未来はそう暗いものになる必要はありません。温室効果ガスの排出量を削減すれば、氷河の「死」を減らせます。そしていくつかの氷河を融解から守れたら、海辺や山に住む人たちは希望を持てるかもしれないのです。

Source: New York Times