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10代の若者、とくに女子のSNSを見ると、ハングルが目立つ。中でも気になるのが、日本人があえて使っているケースだろう。

たとえば、Twitterで名前やプロフィール欄にハングルが書かれていることがある。ある高校生のTwitterには、プロフィールに日本語混じりでハングルが書かれている。

ハングル部分を訳すと、「高校生」「韓国ドラマ」という意味だ。プロフィールの02lineとは2002年生まれを指す。

Instagramでも、名前をハングルにしたり、投稿にハングルのハッシュタグをつけている子は多い。LINEの名前やステータスメッセージがハングルになっている子もいる。

なぜ10代女子はSNSでハングルを使っているのだろうか。

「名前ならハングルで書ける」女子高生たち

ある女子大生のInstagram投稿には、ハングルと日本語のハッシュタグが両方つけられている。

ハングルハッシュタグの意味は、「#フォロー」「#相互フォロー」「#いいね」「#いいね返し」「#フォロバします」などだった。英語の「#followme」「#like4like(いいね返し)」などのハッシュタグとほぼ同じ意味だ。

前述したように、プロフィール欄でよく見かける「◯line」は、たとえば「02line」は2002年生まれ、「99line」は1999年生まれを意味する。元々は韓国における言い方で、日本では韓国好きな子が使うものだったが、最近は韓国とは無関係に単独でも使われることが多い。

参考:この動画のように、ハングルで自分の名前を表記したいという思いも10代女子には根強い

彼女たちは、好きなK-POPアイドルのSNSにハングルでコメントすることもある。

「ハングルができると好きなアイドルの投稿がわかることがあるし、コメントもできる。コメントを返してもらえた時は嬉しすぎた」とその女子大生はいう。

普段はコピペしてGoogle翻訳などを使うが、よく使う言葉はわかるようになってきたそうだ。

ある女子高生のクラスではやはりハングルが流行っており、ほとんどの子が自分の名前や簡単な言葉くらいはハングルで書けるそうだ。

「ハングルの50音表を持っているとすぐに見返せるから便利」と、手書きの表を見せてくれた。

彼女たちは、SNS以外でも日常的にハングルを使う。

たとえば友だち同士で撮るプリクラへの落書きだ。名前や日付の他、「好き」「仲良し」「かわいい」などの意味のハングルを書き込んだりするという。

「丸くて可愛いし、盛れると思う」

背景にある「10代の韓国ブーム」

Instagramでは、ハングルハッシュタグ以外にも、「#韓国好き」(25.4万件)、「韓国好きな人と仲良くなりたい」(38.8万件)、「#韓国好きと繋がりたい」(13万件)なども人気だ。

中には、「#韓国人になりたい」(2.9万件)というハッシュタグまであるほどだ。

2018年6月のマイナビティーンズラボの調査でも、10代の85.9%が「韓流文化が周囲で流行っている」と回答。

約4割が好きなK-POPアイドルがおり、80%以上が韓国に行ってみたいと答えていた。
*参考:https://teenslab.mynavi.jp/column/research-teenstrend-kpop.html

10代女子の間では、ここ数年以上韓国ブームが続いている。10代向けファッション誌では毎月のように韓国特集が組まれるほどだ。彼女たちのほとんどは、韓国コスメ・ファッション・グルメ・K-POPアイドルなど、どれかには興味を持っている。

韓国コスメ、3CE(スリーシーイー)やエチュードハウスなどは見かけたことがある人も多いのではないか。

韓国コスメと言えば、エチュードハウスのアイスキャンディー型のリップティントや3CEのハート型のハートポットリップなど、インスタ映えするアイテムが多いのが特徴だ。

パッケージが可愛い上に数百円程度というプチプラで手に入る値段も、10代女子に支持される理由だ。

チーズに衣をつけて揚げた「チーズハットグ(チーズドック)」や肉や野菜などを炒めた「チーズタッカルビ」など、チーズが伸びてインスタ映えするグルメも、韓国が発祥だ。

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「韓国のものは店も入れ物もなんでもかわいい。インスタ映えするからみんなが投稿するし、見ているとほしくなったり食べたくなる」と前述の女子高生はいう。

「韓国コスメが買えるし、韓国グルメが食べたいから」と、コリアンタウン新大久保は10代の間で人気となっている。

K-POPアイドルTWICEやBLACKPINK、BTS(防弾少年団)なども10代に支持されている。

「オシャレだしかっこいいし最高に好き」と、彼や彼女たちに憧れる10代はとても多いのだ。

なぜ10代女子はSNSでハングルを使うのか?

彼女たちは、韓国や韓国文化に憧れを持っている。

SNSでハングルを使うことで、韓国好きをアピールしたり、韓国人と交流したいと考えているのだ。

K-POPアイドルに思いを伝えたり、ファン同士交流したいとか、韓国人の彼氏がほしいという10代女子もいる。

「ハングルは秘密日記のようなもの。一部の子にだけ伝えたいことを書いている」と言っている女子高生もいた。

「韓国好きな子しかわからないから安心できる」。

10代女子の間で韓国ブームが起きている理由は、Instagramとの相性の良さが見逃せないだろう。

プチプラでお小遣いが少ない彼女たちでも入手しやすい上、近いので旅行などでも行きやすい。

インスタ映えを求める若者層へのマーケティングが成功しているというわけだ。

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もう一つ、“親近感”もあるのではないか。

欧米人のファッションやメイクに憧れても、東洋人とは顔の作りや体型などが違うため真似はしづらい。ところが韓国人なら、同じ東洋人で親近感があり真似しやすいというわけだ。

また、コスメやグルメ、アイドルなどが幅広い年齢層の人気を獲得していることも影響しているかもしれない。

「ママと一緒にBTSにはまって韓国旅行に行った」という女子高生がいるなど、親子で韓国文化に接してはまる例も多いのだ。

日韓関係は問題も多く、大人世代は好意的ではないことも多いだろう。

しかし、10代女子はそのようなことと無関係に韓国文化を取り入れ、SNSでハングルを使っている。

10代女子がどのようなものに関心があるのか、彼女たちのSNSを覗いてみてはいかがだろうか。