MRJ「70席モデル」計画の裏で、激しい買収攻防
70席モデルについて7日に三菱航空機の水谷久和社長は「事業として(親会社である)三菱重工業の承認はまだ得られていない」と前置きした上で、「同クラスの機体にはない機能を搭載することになる」と話した。
一方、ボンバルディアの小型旅客機事業の買収について水谷社長は「三菱重工が検討中で答えが出ていないこともあり、コメントを控える」と語った。交渉は水面下で激しい攻防が繰り広げられている模様だ。
長期成長見据え サービス部門に照準
三菱重工がボンバルディアの小型ジェット旅客機「CRJ」事業の買収交渉を進めていることが5日に明らかになり、翌日6日の三菱重工の株価は2・5%近く下落した。一方、ボンバルディアの株価は上昇した。投資家が小型機事業の将来性について、漠然と不安を抱いていることの表れとみられる。
ただ、三菱重工が小型機事業を買収するのは、完成機事業の長期的な事業成長を見据えてのことだ。子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)が開発を進めている国産小型機のMRJは2020年半ばに90席モデルの初号機納入を控えており、70席モデルの開発にも乗り出す。その後は事業化と6000億円超えと言われる開発費の回収フェーズを迎え、そこに必要なピースを今回の買収で埋める構えだ。
一般的に航空機は一度納入すると20年以上の運航が続き、完成機メーカーには機体のメンテナンスなどアフターサービス体制の構築が必要となる。サービス網を持たない三菱航空機にとって、「サービス体制の整備はMRJの事業化に絶対不可欠な要素」(関係者)となっていた。
三菱重工はサービス部門を中心にボンバルディアと買収交渉を進めている模様で、「買収により人材も含めた整備拠点網と顧客基盤を一気に獲得する」(同)考えだ。CRJは18年末時点で北米や欧州を中心に約1200機が運用されており、三菱重工はこうした実績を高く評価している。
