「はやぶさ2」撮影、地球と月の写真を公開
11月27日、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は、前日26日の12時46分(日本時間)に「はやぶさ2」が撮影した地球と月の「ペア写真」を、「はやぶさ2」特設サイト上で公開した(http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20151127_02/)。
「はやぶさ2」は、世界で初めて小惑星表面からのサンプルリターン(試料の持ち帰り)を成功させた「はやぶさ」の後継機。数々の深刻なトラブルを乗り越えて地球への帰還を果たした「はやぶさ」の雄姿と、それがもたらした感動は、まだ記憶に新しいはずだ。「はやぶさ2」もまた、小惑星「りゅうぐう」への着陸とサンプルリターンを目的に、2014年12月に打ち上げられたもの。
「打ち上げから1年経って、まだ地球の近くにいるの?」と不思議に思う方もいるかもしれないが、これは、「スイングバイ」に備えて地球に再接近しているため。これまで約1年、ほぼ地球と同じ軌道を飛んでいた「はやぶさ2」だが、地球の近くをかすめて飛ぶことで、地球の重力を使って燃料を消費せずに方向転換、リュウグウの軌道へと、いわば「はじき飛ばして」もらうのだ。
公開された写真は、「はやぶさ2」が搭載する光学航法望遠カメラ(ONC-T)で写したもの。ONC-Tは小惑星「Ryugu」観測用に複数のフィルターを持っている、そのうち3つのフィルターを使い、そのデータをそれぞれ光の三原色とみなして合成、疑似カラー画像としたものだという。
これまでも有人ロケットや宇宙探査機が写した「地球と月の写真」はいろいろあるが、こうした「横並び」写真は(地球と月の位置関係を示すCGなどでは時折あるものの)ちょっと珍しいかも。
先述のように色は合成されたものだが、こうして見ると、我々が「とても明るいもの」と認識している月が、地球よりもだいぶ暗い感じに写っているのに気が付く。実際、外からの光(この場合は太陽の光)を反射する割合(専門用語でアルベドという)は、月は地球のおよそ3分の1しかない。実はとても暗い星なのだ。
今後、スイングバイを行った「はやぶさ2」は、2018年夏に小惑星「リュウグウ」に到着。8ヶ月かけて観測や試料採集を行い、2020年に地球に帰還する予定。「はやぶさ」の経験を生かし、トラブルへの耐性ははるかに高くなっているといわれる「はやぶさ2」だが、それでも非常に高度で困難なミッションへの挑戦であることは確か。無事な飛行を続けることを祈りたい。
