公安調査庁が2018年8月29日に開催した「公安調査官疑似体験ツアー」の参加者について、その数が例年の3倍近い値に上っていたことが分かった。10月18日、同庁が公式サイト上で発表した。

同ツアーは大学1、2年生を対象としており、毎年開催。例年は国際テロの発生を想定した内容で開かれていたが、今年は「テロリストから東京オリンピックを守れ。」というテーマで情報収集体験やブリーフィング体験を実施したという。今年の応募者は例年の3倍近くの125人で、応募者の9割が女性。その後、抽選が行われ、8名の大学生が選出され、ツアーに参加したという。

ただし「公安警察」と「公安調査庁」は別物

公安調査庁といえば日本社会を守るために日々調査活動を続けている官庁だが、こと日常会話で「公安」という言葉はなかなか出てこない。ただ、2018年4月にはアニメ映画「名探偵コナン ゼロの執行人」において「公安警察」が大きく取り上げられ、アニメファンの間で話題になった。

同作の主要登場人物で私立探偵の「安室透」は、公安警察官「降谷零」としての顔も持つ。映画「ゼロの執行人」は大ヒット、また彼を主人公にしたスピンオフ漫画「ゼロの日常」も連載が始まるなど、女性層を中心にその人気は絶大だ。

となると、2018年の応募に安室ファンの女性が大挙して応募し、応募者が急増したのでは......とも勘繰りたくなる。

ただ、「公安警察」とは、警視庁や各道府県警、および警察庁に置かれる部署及びその業務に従事する警察官のことであり、公安調査庁とは無関係だ。この線だと応募者の大半が公安警察と公安調査庁を混同して応募したことになる。

そこで、J-CASTニュース編集部は公安調査庁に電話取材を実施。広報担当者に話を聞いてみたところ、「応募者急増の原因についての分析は行っていない」とのことだった。