「まだまだ未熟者」
記者からは、河本さんの道義的責任を問う声が相次いだ。

河本さんの母親の受給が始まったのは14、5年前で、最初の援助が始まったのは5、6年前だという。生活保護の受給を打ち切る話をしたのは、今年に入ってからで、最終的には4月に打ち切られたという。その間、河本さんは、受給について「正しかったとは思っていた」が、「自分がお笑い芸人ではなく、サラリーマンであれば、安定した収入があり、早急な対応もできたのではないかと思うが、いずれにせよ、高収入になった時点で対応しなかったのは、自分の甘さと未熟さ」と、道義的に問題があったことを認めた。

その一方「(母親が受給していることを)知られたくなかった。(厳しい環境の中にいることを)世間の方にわからないように明るく振る舞うのも自分の仕事と思っていた。」と、複雑な心境ものぞかせた。

また、Twitterのプロフィールの文言を変更したことへの批判については、「子を持つ親でありながら、いろいろなストレスを抱えてしまいまして、Twitterに軽率な発言をしてしまったことは、深くお詫び申し上げます。」とした。

■株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー専務取締役の竹中功氏、吉本興業株式会社法務本部長・渡邊宙志氏のコメント



-- 河本さんの母親の受給が法的に問題はあったのか。

渡邊氏「法的な問題、いわゆる不正受給や、虚偽の申告をしたわけではないと判断しておりますが、今回本人の意思もあり、道義的な部分での対応。」

-- 他の親族についての状況については。

渡邊氏「お答えを控えさせて頂きたい」

-- 河本さんがお金を返却する時期の目安や額については。

渡邊氏「行政と調整をしているところ。

--お母さんへの援助の詳細については。

渡邊氏「河本さんから母親への援助の時期や回数、詳細については、河本さん自身の記憶に頼るしかない。」

-- 過去の河本さん同様、年収100万円を切っている若手や、似たような境遇の若手芸人がいるのではないか。

渡邊氏「あるかないかは答えられないが、必要であれば、ヒアリングをして、会社としては、もし(生活保護を)もらうなら、胸を張ってもらえよと。頑張れるようであれば、頑張れよと。対応をしていきたい。」

竹中氏「我々が雇っているわけではなく、歩合制なので。しかし、生活状況については、本人に相談したり、案内したりは一緒にやっていこうと考えております。」

-- 河本さんの今後の活動については。

竹中氏「カメラが回ったら、舞台の幕が上がったら笑いを作るのが我々の仕事。本日以降も、我々と一緒に笑いを作っていく。応援してやってほしいと思う。」


■これまでの経緯
この問題は、4月に一部週刊誌が匿名で報じたことがきっかけ。5月に入り「週刊誌や有権者の情報提供で知った」という自民党の片山さつき参院議員、さらに世耕弘成参議院議員がブログやTwitterで河本さんの実母の生活保護受給を批判したことから大きな話題を呼んだ。

16日には吉本興業が「河本の親族が生活保護費の受給を受けているという重大なプライバシー情報が報道されていること自体、重大な人権侵害」と、不正受給を報じていた一部メディアや両議員に対し、違法行為は存在しないとするコメントを発表。また、21日発売の「週刊現代」では、河本さんの姉が取材に対し「不正受給と言われるのは家族として心外」などとコメント。

先週からは週刊誌やテレビでも報じられるようになり、騒ぎは大きくなる一方だった。今回の問題を通して、生活保護受給の問題だけでなく、ブレイク前の若手芸人をめぐる構造的な問題も浮き彫りになったといえるだろう。


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