――思わずやってしまった、失敗談を教えてください。

堀口:「でも」という言葉をよく使うクライアントさんがいたので、それを言うと、ネガティブ連鎖になるからと、指摘しました。そしたらそのクライアントさんが、私のセッションを怖がってしまった挙句に中断して欲しいといわれてしまったんですよ。私の知り合いのカウンセラーに相談した所「まずは、相手にネガティブな発言をもっと言ってもらうようにする」と言われたんですよね。ネガティブな発言も全部聞いているだけで、相手にとっては承認なんですよね。自分で全部吐き出してしまうと、それだけで何をしたら良いかに気づくんですよ。

――その後はどうなりましたか?

堀口:その出来事をきっかけに、いろいろ考えましたね。ある日「コーチングを良くしていきたいと思うきっかけになったので感謝しています」とブログに書いたんですよ。そしたら、そのクライアントさんが読んでいたみたいで、感謝のコメントが来てましたね。人によって、同じ発言でも怖いと感じてしまったり、ネガティブな人は、実は不安をいっぱい持っていて、自分を守る為に人から攻撃されると攻撃で返すということもあります。

――お仕事を通じて学んだ事はありますか?

堀口:相手を変えようと思わない事ですね。最初は成果を出してもらいたいので、アドバイスもしてしまったんですよ。でも成果が出ないと思うと、やっぱり私自身も辛くなっちゃうんですよね。相手が望む成果が出るまで導いてあげなくては! と思っていたのですが、別にそうでなくてもいいんですよね。自分ができる事だけしていくこと。「要望はするけど期待はしない」が大切です。

相手が気づきたいように気づけばいい、気づかせようとしなくていいんだと思っています。それができたらもっと皆、他人を応援できるんですよ。相手を信じるだけで、自ずと勝手に気づきますからね。信じてもらえると、相手は安心して変わろうとします。

――信じる事がお仕事とも言えるんですね。

堀口:クライアントさんに「堀口さんはいつも信じてますよね」とよく言われるんです。クライアントさんから成果を報告された時、相手ができると信じているので「それ位普通ですよね」と言ったことがあります。「あなたならできると思っていました」というニュアンスが含まれているので、相手は信頼されていると感じ、とても喜んでくれました。それができるようになってからは、クライアントさんがすごい成果を出すようになってきたんですよ。

――ご自身のモットーはありますか?

堀口:最初の一歩を踏み出す感動を提供していく事ですね。私自身も小学生1年生の頃、書初めで金賞を取った時に、母がずっと練習に付き合って応援してくれたんですよ。その時に、側にいてくれた母がすごく心強かったんですよね。そこが原点になっているので、新しい何かを始めたいと思っている人の背中を後押しするお手伝いをしたいですね。

――“才職兼美”読者に毎日を明るく過ごせるようなメッセージをお願いします。

堀口:嫌いな人と会う日だとしても、考え方を「せっかく会うんだから相手の行動を観察してみるか」位に変えるんです。そうすると、何でも楽しめますよ。すべて起こることは、自分にとって意味がある。そして、何でも楽しむとか味わうといいんです。一つ一つ楽しむ感性があれば、人生を切り拓いていけるんじゃないかな、と。色々な事に気づけるし、感じる力があれば、様々な角度からの視点で分析ができるので感性は大事ですよね。それと、上昇志向でないとダメだとか思いがちな人、多いと思います。今、幸せになっている状態を見逃してしまうので、躍起にならなくても今のままでいいんじゃないかな。自分がダメだと思っている事も、今は成長の途中ですからいいんですよ。

――どうもありがとうございました!


堀口ひとみさんプロフィール

大学卒業後、1997年日本マクドナルドに入社し、5年間の店舗勤務を経て、2002年アパレル業界に転職。2004年リステア渋谷店の店長をしていた時に、戦略で始めたブログが、人気ブログランキングファッション1位となり、前年対比+1400万(月)アップ。いち早く顧客戦略にブログを取り入れたパイオニアとなり、カリスマ店長と呼ばれた。2006年6月独立。2009年3月株式会社パールプリュス設立。独立後2年で継続コーチングのクライアント常時25名、単発セッションも含めて、月70セッションを実施中。人の魅力を最大限に引き出し、理想を実現するための一歩を踏み出す感動を提供している。

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