どんなに愛し合っている夫婦であっても、人間が必ず死ぬ運命にある限り、いずれ別れの時が訪れるもの。しかし、別れを迎えたあとの寂しさや、片時も離れたくないとの想いなどから、「死ぬときは一緒に」と願う夫婦もいるかもしれない。中国には、偶然、同じ日にこの世を去った老夫婦がいる。長い時間を共にしたこの老夫婦が迎えた“最後”はどのようなものだったのだろうか。

揚子晩報によると、江蘇省儀征市で暮らす老夫婦、李令国さんと魏修珍さんは18歳のときに結婚。二人で野菜を植え、家畜にエサをやり、稲を収穫するという生活を何十年にもわたり送ってきた。周囲の人からは、「言い争いをしないほど本当に仲の良い夫婦」と評判だったそうだ。

仲睦まじく幸せな日々を送っていた2人だったが、2006年、妻の魏さんが脳卒中で倒れてしまう。息子夫婦は工場に住込み働いていたため、迷惑をかけることもできず、また、経済的な余裕もなかったことから、李さんが付きっ切りで妻を看病することになった。

魏さんは話すこともおぼつかない状況だったが、そこは長い人生をともに歩んできた夫婦。身振り手振りでコミュニケーションをとり、「水を飲みたい」「寝返りを打ちたい」など、李さんには妻の気持ちが手に取るようにわかったそうだ。

そんな看病生活が3年間続いた今年6月のある日、疲労がピークに達したのか、今度は李さんの身体に異変が起きる。膝関節の痛みがひどくなり、病床に臥してしまったのだ。それから2人は、ともにベッドに横たわりながら、心と心を通い合わせ、手と手を握り合い、毎日お互いに励まし合ってきた。

しかし、それから数か月が過ぎた11月13日に、夫の李さんが他界。そして夫の死に直面し、悲しみにくれた魏さんも、李さんの後を追うようにその3時間後に亡くなった。家族の話では、魏さんの枕には大きな涙の跡が残されていたそうだ。ともに83歳。奇しくもこの日は二人の65回目の結婚記念日だった。 

同じ年に生まれ、同じ日にこの世を去った夫婦。病気に苦しんでいたとは言え、65年間連れ添った夫婦にとっては、幸せな最後だったのかもしれない。