クマがとどまっている事業所周辺を警戒する警察官ら(2日午前9時27分、福島県福島市笹木野で)

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 福島県福島市で2日、市街地に出没したクマは、人や車が多く往来する街の中を移動しながら、4人を相次いで襲った。

 近くの小中学校は臨時休校を余儀なくされ、地元住民からは生活への不安の声が聞かれた。

 最初に被害が確認されたのは、JR笹木野駅近くにある部品製造会社「福島製鋼」の敷地内。同社の防犯カメラ映像には、2日午前6時25分に男性従業員が正門前でクマと遭遇し、逃げる際に背中に飛びつかれて転倒する姿が映っていた。

 その後、クマは会社の正面玄関の自動ドアに体当たりしてガラスを割り、北側の住宅街方面に逃走したとみられる。同社敷地内では従業員2人が軽傷を負った。

 同社からJR奥羽線をまたいで北西に約400メートル離れたレンタカー店の防犯カメラが姿を捉えたのは8分後の同6時33分。片側1車線の道路を横切り、住宅が密集する横道へ消えた。

 近くの時計店の防犯カメラにも同時刻にクマの姿が映っており、車がハザードランプを点滅させ、ブレーキをかける場面も。クマが現れた時刻の前後には、通学中とみられる女子生徒やランニング中の男性らの姿も映っており、人通りが多かったことがうかがえた。

 クマは住宅地と電子機器製造販売会社「OKIシンフォテック」の敷地で1人ずつを襲い、けが人は4人に上った。現場近くの小中学校の計2校は臨時休校となり、3日も継続する。

 クマは同社敷地内にとどまり、盾を装備した警察官らが警戒し、物々しい雰囲気に包まれた。近くの50歳代女性は「先日も近くにクマが出たばかり。人を襲うクマが住宅地に入り込むようになり、日々の生活も不安だ」と話した。

繁殖期、行動範囲広く

 クマの生態に詳しい福島大食農学類の望月翔太准教授は市街地に現れるクマについて「6月から夏にかけて繁殖期に入り、行動範囲が広くなる。エサを求めて現れた可能性や、街中の環境に慣れてしまっている可能性もある」と指摘する。

 防犯カメラにはクマが執拗(しつよう)に人を追いかける映像が記録されていた。「車や人を見て恐怖心から興奮状態にあったのかもしれない。逃げる相手を追跡したいという本能も合わさったのではないか」と分析する。

 市街地でクマに遭遇しないための手立てはあるのか。望月准教授は「自治体や警察が発表するクマの出没情報を逐次確認すること。基本的には一人で行動せず、玄関を開ける時や車へ移動する際には周囲を確認し、手をたたくなど音を立てるのも有効だ。戸締まりをしっかりするなどして対応するしかない」と語る。