自動車修理・車検の現場にも中東の影響 エンジンオイルやシンナーが品薄「仕事が来てもやりようがない…」
車の修理や車検に、中東情勢の影響が及び始めています。名古屋の自動車整備工場では、整備に必要な資材が思うように入荷できず、悲鳴が上がっています。
終わりの見えない中東情勢の混乱が、刻々と深刻さを増しています。
東海地方の重要産業「自動車」に関わる製品もそのひとつです。
名古屋市緑区にある「ふじい自動車」では、これまで経験したことのない危機に直面しているといいます。
「このエンジンオイルのタンクには400L入る。月に600Lくらい使うけれど、ストックは200Lだけ」(ふじい自動車 藤井寛之 社長)
エンジンオイルは「車の血液」とも呼ばれ、エンジン内部の摩擦を減らして滑らかに動かす役割を担っています。
劣化したまま使い続けると、エンジンに深刻なダメージを与えるおそれもあります。
Q.200Lだとどれくらいもつ?
「1週間」(藤井社長)「ふじい自動車」では、4社の卸売業からエンジンオイルを仕入れていましたが、4月ごろ、3社からの仕入れがストップ。平時の3分の1ほどしか仕入れられなくなったといいます。
「仕事はいただいても、モノがないのでやりようがない。25年やっているが、こんな状況は初めて」(藤井社長)
「一企業ではどうにもならない」
エンジンオイル以外にも…。
塗料に欠かせないシンナーもナフサ由来のため品薄になっていて、今後、客からの依頼を受けられなくなる可能性もあるといいます。
「シンナーがないと話にならない。スプレーガンの中も洗えないし、色も作れない。シンナーがなければ」(藤井社長)
藤井さんは急きょ、塗装する際に必要なシンナーの使用量が少ない水性の塗料に切り替え対応。
ただ水性塗料は、従来のものよりも仕入れ価格が高く、マスキングテープやビニールシートなども石油由来のため、必要なものが入ってこなくなれば仕事そのものが立ち行かなくなる、そんな強い危機感を募らせています。
「『これも石油製品だったのか』というのがありますね。値段が上がるのはいいけど、仕事できなくなるのが怖い。スタッフもいるので雇用が守れないのが1番恐怖」(藤井社長)
必要な資材の入荷がさらに悪化すると、車の修理や車検が行えなくなり、今後市民生活にも大きな影響が出ると話します。
「安心して乗っていただくために車検整備をやるので、メンテナンスできないと何のための車検なのかとなる。一企業の努力では何ともならない。私が頑張って何とかなるならやるけれど、お手上げです」(藤井社長)
終わりの見えない中東情勢の混乱。その余波は、私たちの暮らしを支える現場にも確実に広がり続けています。
