14日、北京の人民大会堂で行われる記念式典に臨む習国家主席とトランプ米大統領(左)=AP

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 【北京=向井ゆう子、坂本幸信】米国のトランプ大統領と中国の習近平(シージンピン)国家主席は14日午前、北京の人民大会堂で会談した。

 米国が戦闘終結に向けた交渉を継続しているイラン情勢や、米中の貿易問題など経済協力の拡大が主な議題だ。習氏は、中国が「核心的利益」と位置づける台湾問題についても言及した。

 トランプ氏の訪中は第1次政権時代の2017年11月以来、およそ8年半ぶり。両首脳の対面会談は昨年10月に韓国で開催されて以来で、第2次トランプ政権では2回目だ。

 習氏は会談冒頭で、「世界は新たな岐路に立っている」との認識を示した。「安定した中米関係は世界にとって有益だ」と訴え、「ライバルではなくパートナーとなるべきだ」と呼びかけた。トランプ氏は、「我々は素晴らしい関係を築いてきた」と述べた上で、「米中関係はかつてないほど良好になるだろう」と強調した。

 焦点の一つが台湾問題だ。中国国営新華社通信によると、習氏は会談で「適切に処理されなければ両国は衝突し、中米関係全体を非常に危険な状況に追い込むことになる」と述べ、トランプ氏をけん制した。

 トランプ氏は会談前、台湾への武器売却についても協議する方針を表明していた。

 会談ではイラン情勢についても協議する模様だ。米国は、イランに核開発の断念を要求しているが、イランは受け入れず、戦闘終結に向けた交渉は行き詰まっている。トランプ氏は、イランに対して影響力を行使するよう習氏に要請するものとみられる。トランプ氏に同行中のルビオ国務長官は米時間13日放送の米FOXニュースのインタビューで、イラン情勢で「中国がより積極的な役割を果たすよう説得したい」と述べた。

 米国によると、米中外相は4月の電話会談で、ホルムズ海峡などの通航料徴収に反対する方針で一致した。首脳間でも、ホルムズ海峡の自由な航行の重要性について協議する可能性がある。

 会談では、経済協力の拡大も焦点だ。米国は、中国による米国産大豆の輸入拡大やボーイング機の購入で合意を目指している。ロイター通信は、米中が互いに300億ドル(4兆7000億円)相当の貿易拡大を目指す枠組みで合意に至る可能性を報じた。経済協力の拡大に向け、「貿易委員会」や「投資委員会」の設立も検討する。中国によるレアアース(希土類)輸出規制強化の凍結の継続についても協議する見通しだ。

 会談後、両首脳は北京にある世界遺産の「天壇公園」を散策し、夜には晩さん会に臨む。15日は首脳同士の少人数会合後、昼食会を経て、トランプ氏は国賓訪問を終える見通しだ。

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