TeNYテレビ新潟

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部活動の遠征中に起きた磐越道バス事故。県内の他の高校ではどのような対応をしているのか…長岡市内の高校を取材するとともに、部活動の問題点について専門家に聞きました。

長岡市にある帝京長岡高校。

サッカー部は全国大会の常連、野球部はことし春のセンバツ甲子園に出場するなど、県内屈指のスポーツ強豪校として知られています。

週末になれば、多くの部活が試合や練習に出かけるといいます。

帝京長岡高校 鴫原章子 教頭
「このバスが野球部がメインで使っている大型バスで」

帝京長岡高校では部活動の移動のために大型バスやマイクロバスなど合わせて8台を所有…

これらの車を運転するのは、主に部活の顧問です。

帝京長岡高校 鴫原章子 教頭
Q 大型のバスで教員以外の方を派遣して(運転)は?
「ないです」

学校のバスだけでは足りない場合には、レンタカーを借りることもあるといいますが、帝京長岡高校ではバスを運転することができるのは、学校へ免許証などの申請をした教員のみとなっています。

帝京長岡高校 浅川節雄 校長
「マイクロ免許を持っている人が全部届けてありますし、届け出をした人以外が運転はしていけないことになっています」

さらに、遠征など校外で活動する際のルールも徹底しているといいます。

帝京長岡高校 浅川節雄 校長
「学校もレンタルバスの場合も、いつ、どこに、誰の運転で、全部紙に書いて」

部活の顧問が運転する教員の名前、行先、生徒の人数などを書いた申請書を必ず提出。

土曜日や日曜日に部活動の遠征が多くなることから、毎週金曜日の放課後には多くの申請書が校長の手元に届きます。

顧問だけにとどめず学校全体が把握することを徹底しているといます。

帝京長岡高校 浅川節雄 校長
「前日睡眠を十分とるとか、大人の社会なので、お酒を飲まないとか、うちの先生たちは言わなくてもみんなわかっています。生徒を預かっているのでそこで事故が起きたら、立場上弁解の余地がないので、安全に行ってゲーム(試合)でも校外授業でも」

さらに長距離移動の際は「緑ナンバー」のバスを手配し、プロの運転手が運転するといいます。

しかし、費用面で抱える不安も・・

帝京長岡高校 鴫原章子 教頭
「すべて緑ナンバーがベストなんだと思うんですけど、それはちょっと費用的に無理があるかなって思いますので」

帝京長岡高校 浅川節雄 校長
「今回も甲子園出て帝京長岡初出場だったので寄付してくださった方、たくさんいらっしゃるけれども、それだけじゃとても追いつかないので、部員の保護者にも、本校の保護者にも(費用の)協力を願ってっていうのはやらざるを得ない」

「安全面」と「費用面」のバランス感覚が求められる部活運営・・

その構造に問題点はないのでしょうか。

名古屋大学 内田良教授
「部活動の性格にかなり影響されてる事故だなと思うんですね」

こう語るのは部活問題に詳しい名古屋大学の内田良教授です。

部活動の構造について内田教授はおもに3つの点が問題だといいます。

1つ目は部活動が自主的な活動になっていることです。

名古屋大学 内田良教授
「学校の中で、部活動はあって当たり前の活動なんですが、実際の制度上は自主的な活動という取り扱いになってるんですね。学校の法人だったり、あるいは教育委員会、国があんまり管理しない対象になってくるわけですね。その結果、さまざまなことが学校組織として行われるというよりは、各部で自主的にあるいは好きにできてしまう」

部活動は学校行事とは違い「自主的な活動」という位置づけだからこそ、大きな問題をはらんでいるといいます。

2つ目は顧問に依存していることだといいます。

名古屋大学 内田良教授
「各部の顧問に依存しているのが、部活の実態。自主的な活動であるがゆえに、なかなか組織的な管理・関与が及びにくい。そういう中で、割と個人任せで、いろいろなことがうやむやになっていきやすい領域というのが部活動」

3つ目は安全管理の制度設計がないことだと話します。

名古屋大学 内田良教授
「もちろん安全面のチェックも非常にゆるやか。教員も、ただ働きだったり、保護者がなんとか協力して回してくれたり、それ全部善意でなんとかぎりぎりでやってる状況で、そもそも制度設計ができていない」

管理体制が甘い部活動の構造上に課題があると指摘・・

部活動の在り方を見直す必要があるといいます。

名古屋大学 内田良教授
「背景に部活そのものの構造に問題があると考えてほしい。安全安心のためにはお金をかけて制度設計として固めていくことが必要」

今回の事故を受け、新潟県は県内の高校に対し、遠征などの運行について、契約や管理を見直するよう呼び掛けたほか、安全確認への通知を出したということです。

花角知事
「契約が現場任せになっていたという中で、再発防止のための対応策を検討してまいりたいと思います」

今後、実態を把握する調査を行い、再発防止に努めるとしています。