ホルムズ海峡で爆発の韓国貨物船、保険金は最大100億円超か 損保5社が初の「戦争保険特約」適用を検討
ホルムズ海峡で発生した韓国貨物船「HMMナム号」の火災原因が外部の攻撃によるものと確認されたなか、ナム号が5つの損害保険会社を通じて船舶保険と戦争保険特約に加入していることが判明し、保険金の補償規模や支払い時期などに関心が集まっている。
5月12日、保険業界などによると、韓国の海運大手HMMが運航するパナマ船籍の中小型バルク貨物船「ナム号」は、現代海上、サムスン火災、DB損害保険、ハンファ損害保険、KB損害保険の5つの損保を通じて、船舶保険と戦争保険特約に加入していることが確認された。
現在、5社のうち最もシェアの高い現代海上が幹事社を務め、現地で被害状況の調査を進めている。
船舶保険と戦争保険特約はいずれも、最大の補償限度額は同じく約1000億ウォン(日本円=約106億円)程度だ。したがって、今回の爆発事故が戦争に関連するかどうかにかかわらず、ナム号は最大1000億ウォンまで補償を受けることができる。
ただ、政府が爆発の原因を外部の攻撃によるものと確認しただけに、戦争保険特約が適用される可能性が高い。この場合、米イラン間の紛争による初の戦争保険特約の適用事例となる。

もっとも、ナム号が保険金の限度額全額を受け取れるかどうかは現時点では不透明だ。
保険会社が限度額の1000億ウォンを支払う条件は「全損」、つまり修理しても船舶としての機能が回復不可能な状態にある場合だ。これまでに公開された写真の船体の損傷状態や専門家の分析などを総合すると、ナム号は機関室の火災により自力航行は不可能だが、大破や浸水に至るほどの被害ではないとみられている。
しかし、修理箇所が重要部品である可能性は排除できず、補償費用にはドバイ港までの曳航費用や修理のための停泊費用などがすべて含まれるため、修理期間が長引くほど補償額も増えることになる。
保険金の支払い時期は来年以降となる可能性もある。保険金の支払いには修理終了後に関連費用を最終確認する手続きが必要だが、主要部品の現地調達などで修理に数カ月を要する場合があるためだ。HMM側も、1〜2カ月以内での修理は難しいと予測している。
5つの損保がナム号の補償で負担する費用は限定的だという分析が出ている。
現代海上のシェアが最も高く、残りの4社はそれぞれ10〜20%程度だ。これらの保険会社は、リスクの大部分を再保険会社に出再(再保険をかけること)している。さらに、損保の多くは超過損害額再保険にも加入しており、実際に負担するエクスポージャー(リスクにさらされている資産)はさらに減少する。
超過損害額再保険は、損保が支払うべき保険金が一定水準を超えた場合、その超過分を再保険会社が負担する仕組みだ。
(記事提供=時事ジャーナル)
