U-17アジア杯・中国戦は、将来性豊かな左利きのCB竹内に注目だ。写真:松尾祐希

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 U-17アジアカップの第2戦を翌日に控えた小野信義監督率いるU-17日本代表は5月8日、サウジアラビアのジェッダ市内でトレーニングを行なった。

 初戦でカタールを3−1で下し、続く中国とのグループステージ第2戦に勝利をすれば、今秋のU-17ワールドカップ出場が決まる可能性が高い(各組上位2チームの計8チームが出場権を獲得。W杯のホスト国・カタールが2位以内に入った場合、各組3位の最上位チームに出場権がスライド)。しかし、引き分け以下に終わった場合は確定せず、インドネシアとの最終節に持ち越される。

 思い出されるのは、前回のU-17アジア杯だ。その際もUAEとの初戦(4−1)を制したが、続くベトナムとの第2戦は終了間際の失点で1−1のドロー。突破がかかる最終節でオーストラリアに2−3で逆転負けを喫し、裏カードの結果を待って薄氷を履む勝ち抜けになったのは記憶に新しい。

 同じ轍を踏まないためにも、試合運びはポイントのひとつ。特に湘南などを率いた浮嶋敏監督が指揮を執る中国は初戦を落としており、負けは許されない。捨て身の覚悟で向かってきても不思議ではなく、激しいバトルが予想される。

 ミスが命取りになるなかで、キーマンのひとりになるのがDF竹内悠三(名古屋U-18/1年)だ。チーム最年少の2010年生まれで、中学3年生だった昨季のうちにU-18高円宮杯プレミアリーグを経験。チーム発足当初からひと世代上の小野ジャパンに招集され、今大会は同学年のGK木田蓮人(帝京長岡高/1年)とともに飛び級で参加している。
 
 鳥栖U-18出身で世代別代表歴を持つ兄・諒太郎(クリアソン新宿)と同じく左足のキックが武器のCBで、183センチのサイズを活かした空中戦も強い。カタールとの初戦は79分から出場し、持ち味を発揮して勝利に貢献した。

「アジアの戦いの空気感を知れて、この緊張感の中で日本は強く戦えるということも、数分間の出場の中で感じることができた。同時に自分がもっとやらないといけないというのは感じましたし、先発で出た時に自分の力を出してもっとアピールしないといけない」

 初戦を振り返った竹内だが、目線は次戦に向いている。中国は昨年7月に一度対戦しており、自身も実際にピッチに立って相手の強さを肌で感じた。特に自身のミスからヒヤリとする場面があり、「縦パスを狙い過ぎて、カットされてからカウンターを浴びるケースがあった。また、クロス対応のポジショニングも、今映像を見返してもよくないなって思うものがあった」(竹内)。

 過去の反省を踏まえつつ、中国戦では自身の成長を示す場にしたいと意気込む。

「昨年7月から自分が成長した姿を見せて、チームの勝利に貢献したい」

 中国戦でどのようなプレーを見せるのか。来年のアジアカップとワールドカップに出場する資格もあり、今大会の経験は来年にもつながる。今は小野ジャパンで最良の結果を残すことだけを考えているが、U-17世代の今と未来を繋ぐという意味では竹内にかかる期待は小さくない。

 実際に前回のチームでもCB元砂晏翔仁ウデンバ(鹿島/3年)、MF長南開史(柏/2年)がアジアと世界を飛び級で経験し、小野ジャパンでは精神的支柱を担っている。先輩のように竹内も同様の役割を来年は担うはずで、今回の経験は大きな意味を持つ。飛び級組の使命を果たすためにも、中国戦で欲しいのは結果。将来性豊かな左利きのCBは期待に応えるべく、第2戦のピッチに立つ。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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