昭和100年祝賀式典に参加した高市首相(2026年4月、東京・千代田区。撮影/JMPA)

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 歴史的な大勝利で政権基盤を強固なものにした高市早苗首相。しかし、最近はどうも行動と評価がかみあわない。両陛下との温度差が対照的だった記念式典の様子や官邸幹部が頭を抱えたドタキャン騒動など、首相の近況を詳報する。

【写真】身振り手振りでビートを刻む高市早苗首相。他、大型バイクに乗る、ロングヘア時代の高市早苗氏や参議院選挙に初出馬した時のボブヘア姿の高市氏なども

身振り手振りでビートを刻む

 昭和を彩った往年のヒット曲が次々と演奏され会場のボルテージが徐々に高まる中、ロックの名曲が流れると満面の笑みで拳を上げ、リズムをとる宰相。その姿に合わせ手拍子を打つ一団がある一方で、宮内庁の職員たちは感情を殺した視線を送り、その手は微動だにしなかった。それは彼らが、天皇皇后両陛下の"ある異変"を感じ取ったからかもしれない──。

 4月29日、日本武道館には各界の著名人ら約5600人が集結。昭和天皇の誕生日で、「昭和の日」として親しまれているこの日に、内閣府主催で昭和100年を祝賀する式典が開かれたのだ。

「式典は今年が昭和元年から100年の節目となることを記念して、激動と復興の昭和の時代を顧み、日本の将来を考える機会として政府が企画したものです。両陛下だけでなく、衆参議長や最高裁判所長官らも招かれ、式典委員長には高市早苗首相が自ら就任。木原稔官房長官も副委員長として実務を仕切るなど、内閣総出の様相を呈していました」(自民党関係者)

 高市首相は終始ご満悦で、冒頭のようにノリノリな姿も飛び出した。

「高市礼賛ムードの会場がいちばん高揚したのは、首相が好きなTM NETWORKの大ヒット曲『Get Wild』が演奏されたときでした。ロックのリズムに合わせて出席者が手拍子を打ち、笑顔の首相を見て涙ぐむ人もいたほどです。首相は着席したままでしたが、弾ける笑顔に身振り手振りでビートを刻んでいました」(政治ジャーナリスト)

 一方、会場にお出ましになっていた両陛下のお姿は高市首相とは対照的だったという。

「おふたりは壇上の中央にお座りになり、式典の進行を静かに見守られていました。ただ、首相のハイテンションに面食らったのでしょうか、時折、両陛下の表情が凍りついたように見えたという声も。両陛下の先人たちへの感謝や日本の発展を望むお気持ちは首相と変わりありませんが、一方で、昭和には戦争の時代という反省すべき側面があることを誰よりも痛感していらっしゃいます。

 昭和の歴史を鑑みれば、ロック音楽にノリノリというわけにいかないのは当然でしょう。実際、両陛下のそうした感情を読み取ったのか、宮内庁の職員の中には手拍子を打つ人は1人もいませんでした。

 両陛下もお出ましの晴れ舞台ということで、首相は高揚しているようでしたが、どこか上滑りしているようにも見えました。一部の参加者からは、『まるで早苗による早苗のための式典だった』と揶揄する声もあがっています」(前出・政治ジャーナリスト)

両陛下がお言葉を述べる機会はなかった

 さらに、式典の運営自体にも課題が残ったとの指摘もある。

「そもそも、約1時間の式典のうち、3分の1近い時間が自衛隊の音楽隊による昭和の名曲の演奏と歌唱にあてられた式次第に疑問の声があがっています。首相が熱く自説を語りかけるスピーチの時間はあった一方で、せっかくお出ましになった両陛下がお言葉を述べる機会はありませんでした。壇上を後にする順番こそ、両陛下が先でしたが、おふたりが休憩所にいらっしゃる間に高市首相や議員らはさっさと会場を後にしていたことも判明しています。

 また、開演の約3時間前に集合させられたボーイスカウトやガールスカウトの子供たちが、終演後2時間近く会場に留め置かれたのもかわいそうでした。

 こうした進行には両陛下も思うところがあったのかもしれません。翌日には、あえて前日の式典や昭和の時代への所感を、側近を通じてお伝えになったそうです。定例会見で《(両陛下は)過去の歴史から謙虚に学び、深い反省とともに平和を守るために必要なことを考え、将来へとつなげる努力を続けることが大切との思いで式典に臨まれた》と説明があったことが報じられています」(皇室ジャーナリスト) 

 政府主催にもかかわらず、要人を招いた式典が拙い仕切りとなった背景を永田町関係者が解説する。

「内閣府として参考にできる近年の大規模イベントの事例が、2022年に執り行われた安倍元首相の国葬しかなかったそうなのです。そのため、集合時間なども内閣府は前例を盾に強硬な姿勢でしたが、はたしてその前例が適切だったのか。

 厚労省が主催し、両陛下もお出ましになる『全国戦没者追悼式』は同じく日本武道館で毎年行われていますが、ここまで待ち時間が長いことはありません。事務方と首相がもっとコミュニケーションを取り、円滑な運営ができなかったのでしょうか」

五輪選手との懇談の予定を撮影のみに変更

 そんな高市首相は昭和100年記念式典の5日前にも"ある騒動"を引き起こしていたという。

「4月24日には官邸で、ミラノ・コルティナ五輪・パラリンピック選手団と懇談会が予定されていたのですが、当日になって内容を変更。軽食をとりながら30分ほど個別に会話する予定でしたが、公務を理由に写真撮影のみに変えたのです。

 ただ、この連絡が参加者やマスコミにうまく伝わらなかった。選手団はその場で首相との懇談がないことを告げられたそうです。官邸から帰宅する際に、首相は玄関で選手団と鉢合わせし、現場には非常に気まずい空気が流れたとか。官邸の関係者らも『言い訳のしようがない、ドタキャンだ……』と嘆いていました」(前出・自民党関係者)

 こうした"失点"を取り返すように、大型連休中には外遊に精を出した高市首相。夏以降には今後を占う重要な選挙が控えている。

「9月に投開票が予定されている沖縄県知事選挙です。2月の総選挙で圧勝した首相ですが、その後の地方選では負けが続いています。現地では革新勢力の現職知事がすでに出馬を表明しており、自民党とは全面対決の構図となっています。

 憲法改正や防衛力強化などを打ち出している首相としては、米軍基地問題を抱える沖縄でなんとか支持を広げたいところでしょう。政治の師と仰ぐ安倍元首相と同様に、自ら応援演説に赴く可能性も囁かれています」(前出・自民党関係者)

 新政権樹立から100日あまりが経過し、ハネムーン期間を終えようとしている高市首相。国民の期待に応えられるのか、真価が問われ始めている。

※女性セブン2026年5月21・28日号