長期化する中東情勢と原油高 ピンチをチャンスに変える「生活見直し」の提言
OBSラジオ番組「加藤秀樹が語る、日本の未来構想」にて、構想日本の加藤秀樹代表が、中東情勢(イスラエルとイランの衝突)の長期化に伴う原油価格の高騰と、それに立ち向かうための「私たちにできる生活の見直し」について語りました。単なる節約にとどまらず、地域の活性化や新しいライフスタイルへの転換という前向きな視点からの提言です。
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補助金頼みには限界…迫る「石油不足」のリスク
2月末に始まった中東での武力衝突から約2か月が経過し、事態は長期化の様相を呈しています。日本にとって最大の影響は「石油関連」の価格高騰です。現在、政府は8000億円の予算を投じてガソリンの補助金を出しており、価格は170~180円台に保たれています。
しかし、この予算もいずれ底をつきます。さらに、石油が使われているのはガソリンだけではありません。例えば、百均で買える大体のものは石油製品と言ってもいいくらいです。
・プラスチック容器や包装
・衣類(化学繊維)
・家電製品や自動車の部品
・医薬品や医療機材、日用品(洗剤や台所用品など)
これらすべての生活必需品が値上がりし、物不足に陥る可能性があります。私たちはこの危機をただ受け身で耐えるのではなく、自分の生活、さらには地域を豊かにするチャンスにすることができると加藤代表は指摘します。
1979年「第2次オイルショック」の教訓
今回のことでIEA(国際エネルギー機関)も、高速道路での時速10キロの減速、在宅勤務の推奨、日曜日の車利用制限など、エネルギー節減を呼びかけています。多くの国が同様です。今の政権がなぜガソリン補助のことしか言わないのか不思議です。
実は日本は、1979年の第2次オイルショックの際にも同様の危機を経験しました。当時、政府の主導で「暖房は19度以下」「ネオンの消灯」「深夜放送の自粛」「ガソリンスタンドの日曜休業」などが行われました。
しかし、これが結果的に日本の自動車や家電の「圧倒的な省エネ化(エコ化)」を促し、その後の強力な国際競争力と輸出拡大を生み出したのです。ピンチは変化のチャンスになります。
ピンチをチャンスに!私たちにできる「5つのアクション」
大企業による技術開発だけでなく、私たちの身の回りの生活でも、社会を良くするための様々な工夫が可能です。
・食の「地産地消」と「旬」の意識
遠くからの輸送エネルギーやプラスチック包装を減らすため、地元の食材を食べること。また、温室栽培などで膨大なエネルギーを使う季節外れの野菜ではなく、「旬」のものを食べることが最大の省エネになります。パリの「マルシェ(青空市場)」のような量り売りや地元農家との対面販売が日本でも広がれば、楽しみながらエコを実践できます。
・伝統産業の再評価(脱プラスチック)
大分県別府市の「竹細工」のように、かつて生活のあらゆる場面で使われていた自然素材を見直すこと。竹は食器から箒、布巾、さらには洗剤にまで生まれ変わる万能の素材です。
・生活の「スローダウン」
「翌日配達」のネット通販や、「24時間365日営業」の店舗など、過剰な利便性を少し見直しても生活の質は落ちません。これだけで、配送の燃料や店舗の電気代を大幅に節約できます。
・シェアリングとリユース(再利用)
子ども服、おもちゃ、キャンプ用品など、使用期間が限られるものや、たまにしか使わないものは、フリーマーケットやシェアリングを活用して新しく買わずに済ませる工夫が大切です。みんなの節約にもなります。
・エネルギーと資源の「地産地消」
食料だけでなく、電気も地元で作る時代です。大分の豊富な「地熱」はもちろん、地域の小さな水路を使った小規模水力発電や小規模太陽光など、遠くの大型発電所から送電ロスを出して運ぶのではなく、身近で作って使うのが理想的です。また、建設廃材(木材、コンクリート等)の徹底したリサイクルも地域の負担を減らし、資源の活用になります。
世界情勢の悪化による物価高は深刻な問題ですが、これを機に「過剰な消費」や「エネルギーの無駄遣い」を見直し、地域の中でお金や資源、エネルギーを循環させる仕組みづくりへとシフトしていけば、個人の生活も地域経済も豊かになるのです。一人ひとりの「少しの意識の変化」が、日本の未来をより強く、豊かなものに変えていく第一歩となります。
