「食後のスタバ」そのルーティンは医学的に最悪かも…「コーヒーは体に良いのか悪いのか」ついに結論が出た
コーヒーの健康リスクは「飲むタイミング」も重要な要素の一つだ。レストランや喫茶店では食後にコーヒーが出されることが多く、それが定着しているが、じつはこの「食後の一杯」こそが、消化器疾患のリスクを高める可能性があるという。
「コーヒーは体にいいのか、それとも悪いのか」という議論に対して、最先端の研究を進めているハーバード大学医学部のウォルター・チャン准教授らが解説する。
【前編記事】『ハーバード大が《コーヒーの健康リスク》に最終結論「1日1リットル飲んでいたらアウトです」それ以上飲みすぎると…』よりつづく。
食後のコーヒーで消化器疾患のリスクが高まる
「食後のコーヒーは消化器疾患に悪影響を及ぼす可能性があります。食後は胃の中に食べ物が残っており、胃の内圧が高まっている状態です。そこにコーヒーが加わると胃酸の分泌がさらに促され、胃の内容物が食道へ逆流しやすくなります。こうしたメカニズムによって、いわゆる胃もたれや胸やけが起きやすくなるのです。
特に脂っこい食事や糖質の多い食事の後は胃の動きが鈍くなるため、逆流のリスクがより一層高まります。バターをたっぷり使った料理やステーキを食べた後のコーヒーは、消化器系にとって負担になりかねません。反対に、野菜中心の食事と組み合わせた場合は、コーヒーに含まれるポリフェノールと食物繊維が相乗的に働き、腸内細菌のバランスを整える効果が期待できます」(チャン氏)
コーヒーが体に与える影響は、量や飲み方、食事との組み合わせによってこれほどまでに変わるのだ。
さらに、重大な疾患に対する効果も、最近の日本の研究で明らかになった。'26年3月、京都府立医科大学の研究グループが、コーヒーに含まれるポリフェノール成分である「カフェ酸」が大腸がん細胞の増殖を抑制する分子メカニズムを世界で初めて解明したのだ。
研究チームを率いた渡邉元樹氏が解説する。
「コーヒー豆にはポリフェノールのクロロゲン酸が豊富に含まれていますが、熱に弱く、体内では分解されてカフェ酸に変わります。このカフェ酸が、大腸がん患者の予後不良と関連するタンパク質『RPS5』に直接結合することを突き止めました。RPS5の働きが阻害され、がん細胞の増殖に必要なタンパク質の産生が抑えられ、がん細胞の増殖が止まるのです」
「コーヒーさえ飲めばがんが防げる」は本当か
コーヒーと健康の関係をめぐる研究はこれまでも数多く存在したが、「なぜ効くのか」というメカニズムは長らく謎のままだった。今回の研究は、その空白を埋める成果として注目されている。
「RPS5はさまざまながんに関与している可能性があり、その機能を抑制することは、大腸がん以外のがんに対しても効果が期待できます。また、今回の研究では検証していませんが、カフェ酸には老化に伴う炎症や酸化ストレスを抑えるなど、さまざまな面で体を守る働きを持っている可能性があります」(渡邉氏)
夢のような話に思えるが、手放しでは喜べない。コーヒーさえ飲めばがんが防げる――そう結論づけるには、まだ時期尚早だと渡邉氏は言う。
「今回の研究は細胞実験の段階です。実際に人体で同じ効果が得られるかどうかは、動物実験や臨床研究での検証が必要です。コーヒーをたくさん飲めばがんが治るというものではありませんし、飲みすぎによる別のリスクも考慮しなければなりません」
何事も、過ぎたるは及ばざるがごとし。適切な量と飲み方を守ることこそがいちばんの楽しみ方だと、コーヒー愛飲家は肝に銘じよう。
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「週刊現代」2026年5月11日号より
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