ハーバード大が《コーヒーの健康リスク》に最終結論「1日1リットル飲んでいたらアウトです」それ以上飲みすぎると…
朝の目覚めに一杯、仕事の合間に一杯、食後にまた一杯―世界中の人々の生活に深く溶け込んでいるコーヒー。エチオピアに起源をもつが、当初は「目を覚ます秘薬」として飲まれていたという。
それが15世紀末、飲酒を禁じられていたイスラム教徒の間で嗜好品として定着し、やがてローマ教皇の目に留まると、瞬く間にヨーロッパへ、そして世界中へと広がった。
日本もその例外ではない。全日本コーヒー協会によると、日本人のコーヒー消費量は世界4位で、1週間あたり平均10杯を飲む。いまや筋金入りのコーヒー大国だ。
「コーヒーは体に悪い?」ついに結論が出た
愛飲家たちにとって長年気がかりだったのが、健康への影響だ。心臓の不整脈を誘発するという研究や、血圧・コレステロール値を上昇させるというデータが積み重なり、「体に悪い飲み物」というイメージがつきまとってきた。
一方で、糖尿病のリスクを下げるという報告も出るなど、「コーヒーは体にいいのか、それとも悪いのか」という議論は長年にわたり紛糾していたのだ。
ところが'26年2月、ハーバード大学医学部のウォルター・チャン准教授らのチームが発表した研究が、医学界に大きな波紋を呼んだ。コーヒーが体に与える影響について、一つの「結論」が導き出されたというのである。チャン氏が本誌の取材に応じた。
「コーヒーが消化管に影響を及ぼすことはこれまでも指摘されていましたが、そのメカニズムは複雑で、一筋縄では説明できませんでした。コーヒーには、さまざまな疾患に対してよい影響も悪い影響もあるため、『飲めば飲むほどよい』とも、『まったく飲まないほうがよい』とも言い切れなかったのです。
ですが、今回は大規模なデータを統計的に分析することで、コーヒーの最適な摂取量を初めて明らかにすることができました」
研究が導き出した「適度な量」は…
研究チームが分析したのは約12万人ものデータだ。そのうち約8万5000人をコーヒーを飲むグループ、約3万7000人を飲まないグループに分け、両者の消化器疾患リスクを徹底的に比較・検証した。
「その結果、コーヒーの摂取量と消化器疾患リスクの関係は『U字型』を描くことがわかりました。つまり、適度な量を飲む人が最もリスクが低く、まったく飲まない人も、逆に飲みすぎる人も、病気を患うリスクが高くなるのです」(チャン氏)
では、「適度な量」とは具体的にどれくらいなのか。
研究が示した答えは、1杯250mL換算で「1日2〜4杯」だ。スターバックスのショートサイズが240mLにあたるので、目安としてイメージしやすいだろう。チャン氏が続ける。
「コーヒーには胃酸の分泌を促し、消化管の動きや胆汁の分泌を活発にする働きがあります。適度な量であれば、胃炎や十二指腸炎、さらには糖尿病や高血圧を伴う脂肪肝疾患のリスクを下げる効果が期待できます。
一方で、1日4杯を超えたあたりからは注意が必要です。飲みすぎると胃酸が過剰に分泌され、胃食道逆流症を引き起こすリスクが高まるのです」
飲み方次第で効果はまったく変わってくる
コーヒーは「適量」こそが肝心という事実は、別の研究でも裏付けられている。
ハーバード大学などの研究チームが約13万人を対象に最長43年間追跡した大規模調査では、カフェイン入りコーヒーを習慣的に飲む人は認知症リスクが低いことが示され、そこでも最も効果が高かったのは1日2〜3杯のグループだった。異なる研究が、同様の結論を導き出しているのだ。
ただし、ただ飲む量を守ればいいというわけではなく、飲み方次第でその効果はまったく変わってくるという。
「砂糖やミルクなど、コーヒーに何を加えるかによっても、健康への影響は大きく左右されます。最も健康的なのは無糖のブラックコーヒーです。
砂糖を加えると血糖値が上昇し、腸内細菌のバランスが乱れて炎症反応が促進されるため、せっかくのコーヒーの健康効果が薄れたり、消えてしまいます。人工甘味料でも同様です。ミルクについては明確な結論は出ていませんが、ホルモン分泌に影響を与え、コーヒー本来の効果を変えてしまう可能性があります」(チャン氏)
【後編記事】『「食後のスタバ」そのルーティンは医学的に最悪かも…「コーヒーは体に良いのか悪いのか」ついに結論が出た』へつづく。
「週刊現代」2026年5月11日号より
【つづきを読む】「食後のスタバ」そのルーティンが”あなたの胃を壊す”原因かも…「コーヒーは体に良いのか悪いのか」ついに結論が出た
