エジプトで発掘したミイラの腹部から「イリアス」の一節を記したパピルスが見つかった/Ministry of Tourism and Antiquities

CNNエジプトの古代都市オクシリンコスの遺跡で発掘されたミイラの腹部から、ホメロスの叙事詩「イリアス」の一節を記したパピルスが見つかった。

同じ場所で発見されたほかのミイラの上にも、防腐処理の一環として、儀式関連と思われる文言が書かれたパピルスを封入した包みが置かれていた。しかし文学を記したパピルスの発見は今回が初めてだった。

同地で発掘調査を続けているスペイン・バルセロナ大学のイグナシシャビエル・アディエゴ氏は4月30日、「我々にとっては大きな進展だ」「葬儀の一環として文学が使われていたことは、これまで知られていなかった」とCNNに語った。

バルセロナ大学の発表によると、ミイラは首都カイロの南部およそ200キロに位置するアル・バフナサの町で発見された。時代は約1600年前のローマ時代と推定されている。

ピルスは劣化していたものの、調査団が調べた結果、記されていた文字はイリアスの第2巻に登場する軍勢表の一節だったことを突き止めた。

X線などのハイテク技術で調べることはできなかった。それができていれば、もっとよく読めていたかもしれない」「パピルスを傷めずにできることは全てやった」とアディエゴ氏は述べ、重要な疑問はまだ残っていると言い添えた。

ピルスが防腐処理にどうかかわっているのかは現時点でほとんど分かっていないものの、遺体を処理してミイラにした人物の、一種の署名のようなものだった可能性も考えられるという。

他のミイラのパピルスには儀式の指示のような内容が記されていて、一種の守りの役割を果たしていたという説もある。「文学を記したパピルスが、それと同じ機能を果たしていたと考える方がおかしい」とアディエゴ氏は指摘する。「つまり、この文学のパピルスがなぜ存在するのかは、現時点で解明できていない」

この遺跡で発掘されたミイラがどんな人物だったのかも、ほとんど分かっていない。ただ、ある程度裕福な家族でなければこうした防腐処置の費用は負担できなかったのは事実だ。

エジプト観光考古省の発表によると、今回の発掘調査では、複数のミイラが納められた石灰岩の墓3基が発見された。ミイラのうち3体は舌に金箔(きんぱく)が、1体は銅箔が貼られていた。

同省が4月にフェイスブックに掲載した声明によれば、1つの部屋からは焼かれた成人1人の遺骨と乳児1人の遺骨、ネコ科動物1匹の頭部が入った大きな壺が見つかった。遺骸は布にくるまれていた。

2番目の部屋からも、焼かれた2人の遺骨と同じ種類の動物1匹の骨が入った壺が見つかっている。