28日に引退会見を開いたフィギュアの「りくりゅう」ペア。元同僚や、高校時代の恩師らに「引退」への思いを聞きました。

木原選手がかつてアルバイトとして働いていた、名古屋市港区のスケートリンク「邦和みなとスポーツ&カルチャー」。

スケート教室に参加する人たちから、ねぎらいと、今後にも期待する声が聞かれました。

「子どもたちとママさんに大人気で、優しく写真を撮っていただいた。感激の金メダルをとられての引退なので、この7年大変だったと思いますけど、本当にお疲れさまという気持ち」(利用者)

Q.今後はペアで指導していきたいということですが

「すごく期待しています、頑張ってほしい。ぜひ“ペア大国”にしていただきたいなと思っています」(利用者)

元同僚が見た「涙」と木原選手の素顔

仕事の傍ら、スマホで引退会見を見ていたのは飯岡裕輔さんです。

「受け答えがまじめ。ときどき三浦選手とのかけ合いは後半、徐々に見えてきたところもあって、ラフな対応をできるのは彼らしさなのかなと」(飯岡裕輔さん)

飯岡さんは7年前、木原選手とともに仕事をしていた仲です。

引退会見の冒頭で木原選手が涙ぐんだシーンに飯岡さんは…。

「ここで働いていた時、すごく大変だったと思うし、色々なプレッシャーもあったと思う。そういうストーリーをほかの人より多少知っているので、思い返すと個人的にもぐっとくるところはありました」(飯岡さん)

そして、印象に残ったシーンがあるようで…。

「最近しっかりと練習ができていなかったので、少しずつ体重が増えてきたので、太りたくないなというプレッシャーは出てきています。初めてちゃんとしたスーツを作ったので、これが太って着られなくなってしまったらどうしようというプレシャーを持っています」(会見での木原選手)

「えらいなと。私なんか『わがままボディー』になっているので、当時と比べたら太ったので痩せないとな、と。同世代として頑張らないとと発破をかけられたかな」(飯岡さん)

高校時代の恩師が見た成長と逆転劇

引退会見を特別な思いで見た人はここにも。

「やっと金メダルをつかんだなというところで、もらい泣きといいますか」

木原選手の母校・中京大中京高校で非常勤講師を務める臼田泰典さんです。

木原選手の高校3年間、学年主任として見守ってきました。

「本当にたくさんの人に支えられてここまで来たんだなと思いますし、彼も涙を流していましたが、お疲れという感じでした」(臼田さん)

当時の印象は「真面目でおとなしいタイプだった」という木原選手。

卒業後も連絡を取り合う関係が続き、節目ごとにやりとりを重ねてきました。

ミラノ・コルティナオリンピックのショートプログラムでまさかの5位に沈んだ後には―。

「『あなたの力はこんなもんじゃないだろう』『これで終わっていいのか』というようなメールを送り、『必ず逆転します』と返事がきた。本当に金メダルを取って、私も感激した」(臼田さん)

恩師のねぎらいとこれからへのエール

「りくりゅうペア」引退の一報を知った際にも―。

「『しばらくはゆっくりしてください』というメールを送り、『しばらくゆっくりします』という返事が返ってきました。本当に今まで苦労してきたと思うので、よく頑張ったねと声をかけてあげたい」(臼田さん)

木原選手の涙で始まった28日の引退会見。

臼田さんは、これまでの活躍をねぎらいつつも、教え子のさらなる活躍を願っています。

「まだまだこれから先は長いので、体に気をつけて自分たちの目標が達成できるようにさらに精進してほしい」(臼田さん)

村上佳菜子さん「必然だった金メダル」

木原龍一選手と20年以上の親交があるプロフィギュアスケーターの村上佳菜子さん。りくりゅうのペア結成時から2人を見てきました。

Q.最初はどんなペアだった?

「2人が出会う前は、(ペアで)合わせていく難しさを感じていた。2人がペアを組み始めてから呼吸が合っていて、これだけペアの相性がいいとトントントンと技ができていく。『この2人は絶対いくな!』と確信しました。7年間の試合を見ていて、2人の決意と思いが伝わってきて、世界選手権やオリンピックでの金メダルは必然的に歩んできた道だったんじゃないかと思います」

Q.引退会見で印象に残ったことは?

「正直もっと見たかったという思いが個人的にあります。でも、日本の皆さんにもっとペアを知ってもらいたいという気持ちがすごく伝わる会見でした。指導者としても大事だけど、その前にペアを知ってもらうためにいろいろなところを回りたいと言っていたのが印象的でした。りくりゅうペアが出てくるまでは、日本はシングルに強い選手がいて注目される環境だったので、これをチャンスにたくさんの人にペアを知ってもらえるといいなと思います」

Q.木原選手が28日も泣いていました

「泣いていましたね。年齢を重ねていろいろ経験をして、ペアを始めて楽しいことだけじゃなかったと私も知っているので、壁を乗り越えた先の今があるからこその涙もろさになったのかな(笑)」

Q.プロとしてりくりゅうペアを見られる機会は、まだまだある?

「むしろ増えると思います。今までは拠点がカナダでした。試合も大技をするので、体の状態をすごく大事にしていた。でも、これからは『もっと知ってもらいたい』と言っていました。たくさんの方に見てもらいたいということだと思うので、日本でりくりゅうペアの大技が今まで以上に見られると思います。『私もリフトしてもらいたい』とか『スケートで一緒にスピンしてみたい』『隣でジャンプをそろえてみたい』とか、新しいフィギュアスケートの始め方のきっかけになってくれると、もっとペアの環境も良くなってくるんじゃないかなと思います」

Q.最後にメッセージを

「2人で手を取り合って乗り越えてきたのを本当に誇りに思いますし、いったん『お疲れさま』ということを伝えたいです」