開幕から好投続くドジャースの大谷翔平選手(写真:アフロ)

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今季4試合の先発登板で2勝0敗、防御率0.38を記録している大谷翔平選手について、元メジャーリーガーの五十嵐亮太さんが“2つの進化”を語りました。

1つめの進化は「カーブ」

今シーズンの初登板でみせたカーブの緩急に注目。初球120キロのカーブでファウルとすると、その後、156キロのストレートで追い込み、三振にとったカーブは初球より12キロ速い、132キロ。「ここまで球速差のあるカーブは珍しい」と五十嵐さんも驚きます。

遅いカーブと速いカーブの使い分け。五十嵐さんは、「遅いカーブで有効なのは、やっぱ初球。バッターがある程度速いボールをマークしているとか、その前のバッターとかで結構速いボールを中心に攻めてるってなった時は、次のバッターというのはある程度そのボールに合わせていく傾向にあるので、初球軽くストライクを取るっていうときに、緩いカーブはすごく有効です」と説明。

一方、速いカーブについては、「出どころが若干ストレートよりは高いんですけれども、同じような軌道で大きく落ちてくるので、その辺の判断がやっぱバッターとしては難しい。まっすぐ来るっていうので打ちにいくんだけれどもまっすぐじゃないみたいな感じで空振りをしているって感じですよね」と印象を語りました。

球速差だけでなく、カーブを投げる割合も去年より多い大谷選手。その理由は、“2度の右ひじ手術”ではないかと分析します。

「スライダーとかスイーパーとか、リリースでやっぱ曲げたい気持ちが強くなってしまうので、力を入れた時にフォームにズレが生じることによって負担は大きくなると思うんですけれども、カーブの場合って結構抜くボールではあるので、力を指先に入れて曲げるっていう感じじゃない。ひねる動作がない分、肘への負担も少ないと思います」

投打二刀流でシーズンを完走するべく、カーブを多くすることで肘への負担を減らしている考えがあると五十嵐さんはいいます。

2つめの進化は「投球術」

日本時間16日のメッツ戦。ピンチの場面で2年前MVPを争ったリンドア選手と対戦。初球カーブをファウル、続くスプリットは空振り。2球で追い込むも粘られ、10球を投じます。

「自分のボールを一通り投げてなかなかタイミングをずらすことができない、ファウルで粘られるってなると、球種以外でバッターのタイミングを外さなければいけない」と五十嵐さんも語ります。

すると11球目には足の上げ方を変化させ、投げるタイミングを遅らせるようにし、こん身のストレートで空振り三振。打者も思わず苦笑いをみせました。

11球投げるうちの10球はクイックで投球。最後の1球については、「他にも足を上げるっていう選択肢もあるんだけど、このクイックでもない、足上げるでもないっていうこの間の選択っていうのが絶妙」と話し、「バッターとしてはタイミングを外されてしまった分、手を出してしまったという感じなので、これは大谷選手のうまさだと思います」と力説しました。

また23日のジャイアンツ戦でも五十嵐さん絶賛の投球術があったといいます。3年連続首位打者のアラエズ選手に対して、初球は高めのストレートでストライク。

このシーンに、「150キロ中盤のストレートなんですけれど、バッターの動きが目にしっかり入っているので、バッターがちょっと打たないぞってなった時に1ストライク取らせてくれるんだ。じゃあ軽く取らせてもらいますよみたいな感じで投げている」と言及。

そんな冷静さをのぞかせる大谷選手は、160キロのストレートで追い込みます。

打者心理もふまえて、「2球目っていうのは、やっぱ打ちにくるだろうと、より厳しいボールになるか、もしくは強く投げるしかないっていうところで、1球目と2球目でしっかり投げ分けている」と分析。

3球目はわずかに投げ方を変化させているといい、2球目と比べると、左足が地面に着くタイミングを遅らせつつ、158キロを投じて内野ゴロ。

五十嵐さんは、「同じまっすぐでも同じタイミングで打ちに行けないので、160キロ投げられるピッチャーが同じ160キロでもタイミングを変えられるっていうことですから。大谷選手がそれやったってなるとちょっと怖いですね」と苦笑い。「進化でいったらこれまでにない進化」と語ります。

大谷選手は、タイミングを外す投球について、「自分が投げたいタイミングで、相手のタイミングを外したりとか、それもまた一つのテクニックではあるので、まぜながらいきたい」と話しました。

今季、“投手・大谷”がどんな伝説を築くのか注目されます。

(4月25日放送 日本テレビ「Going! Sports&News」を再構成)