締め切りのない仕事は後回し…そんな人こそ試してほしい「細分化」「今日はここまで」「課題洗い出し」の3つの仕組み化

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重要な仕事なのはわかっているけれど、明確な締め切りがないと作業を先送りしてしまう…。

そんな仕事にも集中力を持って取り組むためには、3つの仕組み化が大切だという。

外資系金融機関で多忙な環境に身を置き、現在はエグゼクティブコーチとして活躍する吉川ゆりさんの著書『なぜ、あなたは時間に追われているのか』(日経BP)。

本書から一部抜粋・再編集して紹介する。

締め切りのない仕事は後回しに…

【CASE1】
締め切りのない重要な仕事ほど、考えただけで気が重くなり、後回しになりやすい

このケースの特徴
・よくある誤解→「やる気がない」
・頭の中の独り言→「このままで大丈夫かな…」
・本当の原因→不確実性が高いタスクを脅威だと感じてしまう
・必要な仕組み→不確実性を減らし、安心できるような仕組み

本来やるべきタスクになかなか集中することができず、つい後回しにしてしまう。

「あなたにはやる気がない」「頭が悪い」などと、他者から一方的にレッテルを貼られた経験がある方がいるかもしれません。しかし、それは誤解です。

締め切りのない重要なタスクを重く感じる理由の1つは、不確実性の高さにあります。

何から手をつければいいのか、どの程度やれば「十分」なのか、どんな基準で評価されるのか――これらが曖昧だと、私たちの脳はリスクを大きく見積もり、先延ばしという防衛行動に出ます。

このような場合は、「やる気を出す方法」を探すのではなく、「不安がなくなるような手を先に打つ」ことを考えましょう。

タスクを1アクションに細分化

■仕組み(1)タスクを「1アクション」に細分化する
不確実性を減らすには、タスクを「次の1アクション」に細かく分解します。例えば、「半年後のイベントの準備を進める」という大きなタスクは抽象度が高く、考えるべきことが山ほどあるように思えて、漠然とした不安を生むものです。

けれど、「共有ドライブを開いて昨年の資料を探す」「今年版のプロジェクトノートを作成してタイトルを付ける」「仮の関係者リストを10人分作ってみる」などのように、1つひとつのアクションに細分化することで、着手へのハードルが格段に下がります。1つのアクションは5〜15分で終わるサイズにするといいでしょう。

■仕組み(2)「ちゃんとやる」ではなく「ここまで終わらせる」
次に、成果の基準として「ちゃんとやる」ではなく、「今日はここまででOK」というラインを具体的に定義します。「ちゃんとやる」という基準は、一見やる気に満ちているように見えますが、実際には終わりがありません。

先ほど細分化したアクションのなかから、その日やその週内にやることを選び、TODOリストを作ります。「今日は、過去の資料の所在確認、今年版の準備ノート作成、関係者を10人リストアップできたらOK」など、目に見えるアクションを目標に決め、終わったらTO DOリストにチェックを入れます。

1つひとつ着実に進んでいる実感が芽生え、安心感を得ることができるでしょう。

定期的に洗い出しの習慣をつけよう

■仕組み(3)「安心専用ブロック」を作る
とはいえ、大きなタスクを細分化すること自体が難しい、という人もいるかもしれません。そんな人におすすめなのが、定期的に「安心専用ブロック」を設けることです。

「安心専用ブロック」とは、不安や未確定事項を徹底的に洗い出し、整理するためだけの時間です。週に1〜2回、タスクの大きさに応じて10 〜30分程度、カレンダー上で時間をブロックします。

そして、「必要なデータが手元にない」「予算の上限が分からない」「誰に相談していいか分からない」など、気になることを遠慮なくリストアップするのです。

名前の通り、このブロックの目的は「安心」を確保することです。「先が見えない」という不安を無理に押し込めるのではなく、「ここで向き合うから大丈夫」と脳に知らせるための仕組みです。「自分への会議の招待状」だと思って、忙しくてもスキップしないようにしましょう。

課題がリストアップされたら「それを解決するためにはどうすればいいか」を考えます。つまり、次の「1アクション」が見えてくるのです。

「まずは上長に聞いてみる」「イベント会場の公式ホームページから問い合わせてみる」など、具体的なアクションが見えてくることで、不安が和らぐでしょう。

こうして不確定要素を解きほぐすことで、安心感が生まれ、目の前の緊急度の高い仕事にも集中しやすくなります。

吉川ゆり
Mental Breakthrough Coaching(TM)スクール代表。社会を変える土台としての「人の変化の構造」を体系化し、経営者・リーダー・医療者・教育者・芸術家など変化を起こす人材を育てている