大石晃子共同代表、櫛渕万里氏

写真拡大

 組織ぐるみの秘書給与を詐取していた疑いが向けられているれいわ新選組で、新たな疑惑が浮上した。先の衆院選で落選したれいわ新選組の櫛渕万里副幹事長が在職中に雇っていた公設秘書が、党内で「幽霊秘書だった」と言われているのだ。(前後編の前編)

 ***

【写真】17年前、民主党ブームに乗って初当選。「美人議員」ともてはやされていた頃の櫛渕万里氏

新潮報道に「違法性はない」と繰り返してきた高井崇志副幹事長

 れいわ新選組で持ち上がっている秘書枠上納問題は、3月12日、「週刊新潮」の報道から始まった。同党に所属していた多ケ谷亮前衆院議員は、山本太郎代表の依頼で、党の幹部職員を名義だけ公設第一秘書として勤務させるよう求められ、断れずに応じたと証言。約2年間、勤務実態のない秘書を雇っていたと暴露した。

大石晃子共同代表、櫛渕万里氏

 報道を受け、阪口直人前衆院議員もSNSで、党から党職員を第二秘書として雇うよう提案を受けて雇い入れたが、「党務が忙しくて私の事務所で勤務することは難しかった」と勤務実態がなかったことを認めた。

 国は国会議員の活動を補佐するため、公設秘書に給与を支払っている。これまでも辻元清美参院議員や広瀬めぐみ元衆院議員らが、名義だけの秘書を雇用し給与を詐取したとして立件されてきたが、れいわには組織的関与の疑いが向けられているのである。

 一方、党のスポークスマンを務める高井崇志副幹事長は、これまでの定例会見で違法性を一貫して否定。「議員活動と党務は不可分」「秘書給与は、過去の摘発事例のようにキックバックされていたわけではなく、秘書当人にきちんと支払われていた」などと反論してきた。

 しかし、まさに高井氏が言ってきた「過去の摘発事例」と外形的には似ているケースが党の現職幹部にあったのである。

党内で囁かれてきた「山本代表よりもヤバい」

 その人物こそが、先の衆院選まで党の顔として大石晃子共同代表と共に活動してきた櫛渕万里副幹事長だ。

 櫛渕氏は「地球一周の船旅」で知られるNGO「ピースボート」の元職員。事務総長まで務めた後の2009年、民主党から衆院選に出馬して初当選した。だが、それから民進党、希望の党と党籍を変えるも3度落選が続き、なかなか国政復帰を果たせなかった。

 転機は20年、れいわに加入してからのこと。21年の衆院選で東京22区(三鷹市、調布市など)から出馬して落選したが、22年4月、山本太郎代表が参院選に鞍替え出馬するため衆院議員を辞職したことで繰り上げ当選。10年ぶりに国政復帰を果たした。24年の衆院選では東京14区(墨田区、江戸川区の一部)に鞍替え出馬し、小選挙区で敗れるも比例復活して再選を重ねた。

 22年12月からは大石氏と共に共同代表に就任。先の衆院選で落選後、共同代表の座から一人だけ降りたが、現在も副幹事長として活動を継続している山本氏の腹心の一人である。

 実は、新潮社のれいわ追及報道が続く中、党関係者の間では「櫛渕氏の方が山本代表よりもヤバい」と囁かれてきたのだ。

地元事務所にいるのはいつも私設秘書

 そのワケを東京14区の支持者が明かす。

「2年くらい前から、櫛渕事務所には元中国籍の幽霊秘書がいる、と噂になっていたのです」

 問題視されてきた人物は公設第二秘書として登録されていたX氏。関係者によれば、元中国籍だが帰化して日本国籍を有しているという。X氏の名前が「国会要覧」に初めて登場したのは23年8月号、消えたのは25年11月号だった。しかし、在任していたはずの期間、X氏は地元事務所で全くといって見かけなかったという。

「いつも地元事務所にいるのは私設秘書。議員会館に詰めている男性の政策秘書と、議員会館と地元を行ったり来たりしている女性の公設第一秘書がいたことはみんな知っています。ただ第二秘書がいたことを知らない人も大勢いた。そのくらい滅多に見かけないレアキャラでした」(同)

 この支持者がX氏と会ったのは一度きりだという。

「私がX氏と会ったのは24年の選挙期間中のことです。向こうから『秘書のXです』と名乗ってきましたが、名刺は渡してくれなかった。これが噂の幽霊秘書かと思いました」(同)

 旧選挙区である東京22区のれいわ関係者も同調する。

「Xさんを見かけたのは23年の統一地方選挙の最中だけで、普段、地元事務所にいなかったのは事実です。秘書という認識はなく、櫛渕さんの夫である中国人男性のビジネスパートナーという認識でした」

議員会館でも「見かけなかった」

 これら地元の声に加え、国会周りのれいわ関係者も「櫛渕事務所の第二秘書など見たことがない」と口を揃えるのである。

 多ケ谷亮前衆院議員もその一人だ。

「議員会館の部屋は櫛渕さんの隣でしたが、政策秘書と第一秘書しか知りません。うちにいた秘書たちにも確認しましたが、櫛渕事務所の第二秘書なんて聞いたことも見たこともなかったと話しています」(多ケ谷氏)

 さらに取材を進めると、櫛渕事務所の内情に詳しい関係者から重要な証言を得られた。X氏は事務所スタッフの一員としてみなされていなかったというのである。

 関係者によれば、スタッフ間で業務連絡をするための2つのLINEグループがあり、うち一つは政策秘書、第一秘書、私設秘書、事務員の4人。もう一つはこの4人に櫛渕夫妻が加わった6人で構成されていた。

「つまり、X氏は事務所スタッフとしてカウントされていなかった。地元事務所の引き出しの中には、X氏の写真入りの『議員秘書パス』が一時期、無造作に置かれていたとも聞いています」(櫛渕事務所の内情に詳しい関係者)

 いったいこの“幽霊秘書”は何者なのかーー。後編【「山本太郎よりヤバい」の声も…警視庁も注目 れいわ櫛渕万里前衆院議員の「幽霊公設秘書」は中国人専門の人材紹介・不動産会社“社長”だった】では、X氏の”本業”や直撃取材、櫛渕氏から届いた「反論」について詳報している。

 デイリー新潮HPでは、「山本太郎代表&大石晃子共同代表の“臨時総会パワハラ音声”」を公開中だ。

デイリー新潮編集部