高市特需も終えんか…清瀬市長選に続き、練馬区長選でも与党系が落選、統一地方選に向け不安
衆院選で圧勝した後も高支持率が続く高市早苗首相の人気に浮足立っている自民。だが、最近の地方選では苦戦が目立っていることが今、永田町をにわかにざわつかせている。
3月29日投開票の清瀬市長選では、共産・社民推薦の新人が、自公が推薦した現職を破って当選。4月12日投開票の練馬区長選では、完全無所属を打ち出した新人が、自民などの推薦を受けた小池都知事の側近候補に勝った。少しさかのぼると、1月25日の福井県知事選では自民が支持した新人が落選、3月8日の石川県知事選では高市首相が応援に入ったにもかかわらず、現職の馳浩氏が敗れる結果となっていた。
もちろん地方選の構図や争点は国政選挙とは異なり、各地の個別事情もあるが、相次ぐ敗北に焦りを見せるのが地方の自民関係者だ。
「衆院選は立憲と公明が急に合流したことへの忌避感もあり、自民が地すべり的に勝利できた。ただ地方選では、公明が連立離脱した影響が徐々に出てきているようにも思う。練馬区長選では小池都知事の側近候補が公明の推薦を受けなかったことで、一定の公明票が対立候補に流れたのでは。各地域の事情だけで片付けられない、不安な流れだ」
この関係者は衆院選での大勝以降、自民の「ゆるみ」も感じるという。
「衆院選では、通常なら比例復活も危なかったような候補までが『高市人気』のおかげで当選し、当選後は出席している行事の最中でもしょっちゅうタバコを吸いに行っている。そんな姿勢で次は大丈夫かと心配になるし、地方選で負けが続いているのを見ると、党全体に浮ついたムードが広がっていることも一因ではないかと心配だ」
「無所属の方がマシ」中道も諦めムード
一方、中道など野党側が地方選の勝利で勢いがついているかというと、そういうわけではなさそうだ。
例えば練馬区長選では、前回は立憲、共産、社民などの推薦で戦った吉田健一氏が4年越しの雪辱を果たしたが、今回は政党からの推薦を受けず「完全無所属」を強調し、自民や都民ファーストの会、国民民主、維新の推薦を受けた前都議に勝利した。
練馬区は、衆院選では2選挙区に分かれ、いずれも中道候補が自民候補に敗北した地域だ。衆院選で落選した中道の前衆院議員は「衆院選と首長選という違いはあるが、衆院選で負けた地域でも、党派色を消したら勝てた。中道というだけで有権者に話を聞いてもらえないが、中道のラベルをつけない方が支持を集められるのか」と諦めムードもただよっている。
「中道より無所属の方が有利」――そんな状況となると、ますます中道の求心力は低下するばかりだ。
「中道は落選者に月40万円の支援を始めるそうだが、それも立憲時代からは減額されたうえに一部の落選者のみ。もはや中道にいるメリットがあるのか……。離党して党派色を消したうえで首長選に挑戦する人がちらほらと出てくるのでは」(同)
2027年春には統一地方選も控え、ここでどのような結果を残せるかが党全体の基盤の安定につながる。各地の地方議員は、その後の衆院選や参院選でも手足となって活動してくれるからだ。さらに、総裁選や代表選での地方票の行方にもつながるため、高市首相や中道の小川淳也代表にとっては、なんとしても好結果を残したい戦いだ。
ここ最近の地方選のトレンドが、統一地方選、そしてその後の党運営にどう影響を与えてくるか。与野党ともに引き締めや戦略の練り直しが急務のようだ。
文/中村まほ 内外タイムス
