写真/産経新聞社

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 メジャーリーグはレギュラーシーズン開幕からまもなく3週間。今季はここまで総勢12人の日本人選手が出場しているが、早くも明暗が分かれ始めている。
 ドジャースの大谷翔平は、レンジャーズ相手に2試合連続となる先頭打者本塁打を放つなど上り調子。開幕直後はやや低迷気味だった打撃も、完全に復調したとみていいだろう。投手としてもいまだ自責点ゼロを継続中で、4年連続5度目のMVPへまっしぐらだ。

◆好スタートから一転…村上宗隆&岡本和真が急失速

 そんな大谷とは対照的に、開幕直後は好調な打撃を見せていたが序盤の勢いを失い「ジリ貧」状態に陥っているのが、ともにメジャー1年目を迎えているホワイトソックスの村上宗隆と、ブルージェイズの岡本和真である。

 村上は開幕から3試合連続本塁打を含む5試合連続安打を記録するなど、自慢のパワーを見せつけていた。対する岡本は村上を超える6試合連続安打と、最高のスタートを切ったかに見えた。

 ところが2人の好調はそう長く続かなかった。村上は直近8試合で、23打数1安打(打率.043)。その間、8個の四球を選んではいるものの、本塁打と打点がない不調に陥っている。

 岡本も目下14打席連続で無安打が続いており、その間の出塁も四球による1度のみ。ともに長打は影を潜め、打率は村上が1割台半ばに下降、岡本も2割を切りそうな勢いだ。

◆2人に共通する「空振り率の高さ」

 NPB時代はセ・リーグのライバル球団で切磋琢磨し、毎年のように本塁打王を争った2人だったが、ルーキーイヤーに早くも試練に直面している。そんな2人に共通しているのが、空振りと三振の多さである。

 日本時間13日時点で、村上のスイングに対する空振りの割合を示す「Whiff%」は39.8%で、これはメジャー下位4%に位置する。一方の岡本は若干マシだが、それでも36.8%で同8%と低迷。ともにボールをバットの芯で捉えた時は飛距離も出ているが、そもそもバットに当たらないという致命的な状況だ。

 岡本に関してはここ数試合で若干意識を変えたのか、ややスイングをコンパクトにした印象もある。ただ、凡打の山を築いていることに変わりはない。

◆変化球への対応が課題?

 2人がそろって不振の要因となっているのが「変化球への対応」だ。

 実は2人がメジャーに挑戦する際は「速球への対応がカギ」と言われていた。対戦する投手は150キロ超えが当たり前で、160キロの剛速球を投げ込む投手も珍しくない。

 数年前に同じスラッガータイプの筒香嘉智(現DeNA)がメジャーに挑戦した際も、メジャー投手の速球に大苦戦し、マイナーで過ごす時間も多かった。

 NPBの投手に比べると段違いで速いストレート。それこそが村上と岡本がメジャーで通用するかどうかのカギと思われていたが、実際は変化球に対応しきれていないのが現状である。

◆球種別データが示す明確な弱点

 ここで両スラッガーのここまでの「球種別打率」と「長打率」を確認しておきたい。

 MLB公式データサイトの『Baseball Savant』は、投手の球種を細かく約10種類に分けているが、ここでは大まかな「Fastball(フォーシームやシンカーなどの真っすぐ系)」、「Breaking(スライダーやカーブなどの曲がる系)」、「Offspeed(チェンジアップやスプリットなどの落ちる系)」の3つのカテゴリーを用いる。

 村上は真っすぐ系の球種に対して、打率.207、長打率.621。数字自体は良く見えないが、曲がる系の.071/.071と、落ちる系の.125/.125に比べると上々の数字であることがわかる。球種をより細かく見ると、真っすぐ系の中でもシンカー(.286/.714)とカットボール(.500/2.000)といった打者の手元で微妙に動く球種にはうまく対応している。