しかし、フォーシーム(.111/.278)には苦戦している状況。ちなみに、4本塁打はすべてシンカーかカットボールを捉えたものだった。

 一方の岡本は、真っすぐ系の球種に対して.244/.415とまずまずだが、曲がる系に.083/.083、落ちる系には.000/.000と、いまだ安打すら出ていない。

 今季記録している11安打のうち10安打は真っすぐ系で、うち9安打がフォーシームからと、速球にはうまく対応できている。逆にいえば、フォーシーム以外の球種には全く対応できていないということだ。

◆今後は「スライダーへの対応」がカギに?

 さらに球種を深掘りすると、2人が共通して苦しんでいるのがスライダーである。相手投手の左右を問わず、横に大きく曲がるこの球種に対して、そろって空振りの山を築いている。

 スライダーはストライクゾーンからボールゾーンに逃げていくことも多く、最も見極めが難しい球種の一つ。まさにスライダーへの対応が、村上と岡本が今後メジャーで通用するかどうかの大きなカギとなるだろう。

 そのうえで、大事なのが、言うまでもなく甘いコースに入ってくる失投を見逃さないこと。球種を問わず、追い込まれる前にファウルで逃げるのではなく、確実に仕留めていかなければ大幅な成績アップは望めないだろう。

 開幕から3週間を前に早くも試練を迎えた2人の長距離砲。何とかこの壁を乗り越え、再び本塁打量産といきたいところだ。

文/八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。