沖縄の空き家から「2億円」。壁の中に眠っていた遺産のナゾと、肝試しで“宝”を当てた少年たちの「衝撃の末路」
「持ち主に関する情報ですが、登記簿によると土地は元の所有者から親族とみられる男性に2004年に相続登記されています。そして、さらにその4年後に相続者の男性と同姓の人物を含む9人に相続されていました。所有者が複数にまたがる中で住人がいなくなり、風雨にさらされるままになってしまったのでしょう。20年ほど、空き家の状態が続いていたそうです。沖縄メディアが、何人かの相続人に取材を試みたそうなのですが、あまり多くを語りたがらない様子だったそうです」(安藤氏)
「あそこは、明治期に内地から文具の卸業として沖縄に渡ってきた一族の土地だよ。初代は事業を拡大させて成功し、二代目になってからは戦後の闇市が立ち並んだ一帯の土地管理を生業にしていたと聞いている。一族は平和通り(国際通り近くのアーケード街)一帯の大地主として有名でしたね。一方で、不動産事業に絡んで貸金業のようなこともしていたようで、一時期は銀行の設立申請までしていた。なぜ、それほど大量の現金を自宅に置いていたのかって? それはわからないが、周辺では知る人ぞ知る資産家であったことは間違いないよ」
この二代目の妻が2004年に死去し、子と見られる親族Aが相続。Aも2008年にこの世を去り、9人の親族に相続されたようだ。
「一族は、事業に関連する資金など、現金を自宅に置いておく必要があったのでしょう。当人たちが逝去していくなかで、こうした遺産の存在が相続人に伝わらぬまま、放置されていたのではないでしょうか」(前出の記者)
◆空き家の現金をめぐって蠢く半グレやヤクザ
空き家の正体は闇の中ながら、一方で、事件発覚から約半年が経過したが、初報から時間を置いて債券の顛末が表沙汰になったように、今後、さらなる真相が明らかになる可能性もあるという。
「空き家にあった債券を換金して現金化した男女のほかにも、屋敷の中にあった金品を手に入れた者がいる可能性がある。少年たちは空き家にある現金のことを仲間内で共有し、邸宅への侵入を繰り返していましたが、この手の話はすぐに広まるもの。少年たちの中には『(空き家の件で)ヤクザに追い込みをかけられている』と言って行方をくらませた子もいたそうです。実際に、家の中に総額いくらあったか判明していません。今後、事件捜査がさらに進んでヤクザや半グレといった反社会勢力の関与が浮上することも十分あり得ます」(安藤氏)
事件に関与した少年のなかには、生活保護を受給せざるを得ないほどに困窮した家庭の子どももいたという。現金が持ち去られていたとされる時期は、沖縄でエトミデートが中高生に広がっていったタイミングとも重なる。
「米軍基地地主の済む高級住宅街にある空き家に眠っていた資産家の遺産が、沖縄の過酷な現実からの逃避のために使われていたのだとすれば、こんなに皮肉なことはありません。沖縄は所得の不平等、格差が全国に比して高いとされていますが、事件は、持てる者と持たざる者の明暗を照射しました」(同)
新事実が明るみになることはあるのか。事件がはまだまだ終わっていない。
取材・文・撮影/SPA! 2億円空き家取材班

