沖縄の空き家から「2億円」。壁の中に眠っていた遺産のナゾと、肝試しで“宝”を当てた少年たちの「衝撃の末路」
◆盗んだ金でゾンビたばこ購入。不良少年十数人が逮捕!
発端は、ただの“肝試し”だった。空き家に忍び込んだ少年たちが、壁の中から見つけたのは大量の札束が……。噂が広まると不良少年たちが続々とここを訪れ、現金や金目のものを探して出して持ちだした。大金を手にした一部の少年たちは、その資金で違法ドラッグを購入し夜の街で乱痴気騒ぎを起こしていたーー。まるで海外の犯罪映画のワンシーンのようだが、舞台となったのは沖縄だ。事件発覚前に情報を得ていたという地元メディアの記者はこう証言する。
11月になって、ようやく地元紙『琉球新報』が「空き家に1億円 少年ら持ち出す」と見出しで報じると、SNSを通して瞬く間に日本じゅうに拡散した。記事では、中高生による現金持ち出しのほか、現金の一部が、沖縄で蔓延する違法薬物「エトミデート(通称:ゾンビたばこ)」の購入費用に充てられていたとも指摘していた。
「この一件が報じられてから、ようやく沖縄県警が逮捕に踏み切りました。1月に空き家に忍び込んだ中高生16人を邸宅侵入、窃盗容疑で書類送検されたのです。さらに3月、これに関連して、銀行から無記名債券を換金して約1億円を手に入れた男女も組織犯罪処罰法違反などの容疑で逮捕されました。発見された現金は、福沢諭吉の肖像が印刷された“2世代前”の古い紙幣。少年らが屋敷の中で面白半分に壁を壊したりしているうちに、出てきた紙幣もあったそうです。無記名債券も空き家にあったようで、少年たちは価値がわからなかったようですが、嗅ぎつけた“大人”が換金したのでしょう」(前出の記者)
この債券は昭和から平成にかけて発行されていた「ワリコー」や「ワリチョー」と呼ばれる割引金融債だ。無記名で購入でき、償還期間後は紙の証書を持っていれば誰でも換金できた。富裕層の脱税や資産隠しに使われることもしばしばあった。
◆持ち主は商業地の大地主。貸金業も営んでいた
この空き家には、報道で出ただけでも2億円以上の現金や債券が眠っていたことになる。では、この空き家の持ち主は一体、誰なのか。元夕刊紙記者で沖縄事情に詳しいジャーナリストの安藤海南男氏はこう明かす。
「件の空き家は那覇市内の閑静な住宅街に建っていました。事件が明るみに出る前に私も訪れたのですが、門扉が固く閉じられ、幾重にも重なってツタが自生する塀に囲まれた敷地に2階建てとみられる邸宅があり、独特の威容を放っていました。登記簿によると、土地は約1342平方メートルの広さで、玄関の方面からは県庁も望める好立地。那覇市のメインストリートである国際通りにも近く、地価が高騰している中にあってかなりの資産価値があることは想像に難くありません」
取材班が3月に同地を訪れたところ、件の空き家は取り壊され、だだっ広い空き地が広がるのみとなっていた。空き家の隣には、極東最大規模の米軍嘉手納基地の土地を多く所有し、“県内最大の基地地主”と言われる人物の邸宅があった。エリア内はビルが建ち並ぶ中、基地地主と空き家が並ぶ一帯だけは視界が広々と開けており、高級住宅街のようであった。

