燃えよ阪神・森下翔太 岩貞からの“金言”「いらっしゃいの精神」支えに歩む更なる進化への道
◇セ・リーグ 阪神9―3中日(2026年4月11日 バンテリンD)
阪神・森下翔太外野手(25)が11日の中日戦(バンテリンドーム)の初回2死から先制6号ソロを放った。10日のカード初戦に続いて「ホームランウイング」へ運び、球団では新庄剛志以来となるキャリア3度目の3戦連発となった。初の組み合わせとなる4番・佐藤輝、5番・大山とのクリーンアップ本塁打そろい踏みの口火を切り、今季4度目の決勝打を刻んだ。チームは今季3度目の3連勝。08年以来の開幕5カード連続勝ち越しで21年以来5年ぶり5度目の12球団10勝一番乗りを果たし、首位をキープした。
バンテリンドームにこだまする、森下の甲高い打球音を耳にして、左翼席に詰めかけた虎党は心からシビれた。先発・大野の147キロ高め直球をはじき返すと、白球は左翼の「ホームランウイング」へと消えた。前夜に続き、新設されたテラス席の恩恵を受けたリーグトップ独走の6号。9日ヤクルト戦(甲子園)からの3試合連続弾は、ともに4試合連続だった24年9月、25年5月に続くキャリア3度目。球団生え抜きでは「虎のプリンス」新庄に肩を並べた。当たり出すと止まらない、確変モード突入だ。
「自分の中でも、別に“いいな”っていう感じでもないから、ボチボチやっている感じです。全部、もう少し上げていけそうです」
先手を取った一撃が2人の先輩スラッガーを触発もした。2回先頭で大山が今季1号を同じく左翼テラス席に叩き込むと、7回1死一、二塁では佐藤輝が右中間テラス席へズドン。ドラフト1位クリーンアップが同じ試合で本塁打を打つのは、球団初。豪快に、その先陣を切ってみせた。
「まだ始まったばかりなので、一喜一憂しているヒマはない」
1年目から10、16、23と本塁打数を着実に増やしてきた。特に昨季は不動の3番としてリーグ優勝に貢献。だが山も谷もあった。一本立ちに向かう若武者は、岩貞のある“金言”に支えられていた。
7連敗を喫するなど、どん底にあった昨年の交流戦期間中。仙台での一戦でサヨナラ負け後、森下は岩貞に牛タン屋に誘われた。打撃の状態が沈んでいた頃で、当日も6打数1安打と振るわず。うつむき加減でタンを口に運んでいると「“いらっしゃいの精神”が投手にとって一番怖い」と諭された。投球にがっつかず、懐を深くして待てば打てる球は必ず来る。助言は続く。「“頑張らないこと”がプラスになることもある」「見逃す勇気も持て」。そして何より堂々と――。迷いを振り切った若き大砲は、ほどなく復調。勝負の夏場とラストスパートの秋を駆けた。それが今季にもつながる。
14試合目での6本塁打は昨季40本塁打の佐藤輝の同時期をしのぎ、11打点は同ペース。40本塁打、100打点が現実味を帯びるハイペースだ。「(スタンドに)入れば何でもいい」と割り切る男のバットは、鋭さを増すばかりだ。 (八木 勇磨)
【生え抜きでは新庄剛志以来26年ぶり】
○…森下(神)の3試合連続本塁打は24年9月8〜13日、25年5月4〜7日の各4試合連続に続く3度目。阪神選手で3度以上はブラゼルが09年に4試合、10年に5試合と3試合2度の計4度記録して以来。生え抜き選手では新庄剛志が96年に4試合、00年に4試合と3試合の計3度記録して以来26年ぶり。
○…森下のチーム14試合目で6本塁打は、昨季40本塁打の佐藤輝の18試合目を上回るペース。シーズン143試合換算なら61本ペースになる。
【12球団最速でシーズン10勝到達】
○…阪神は12球団最速でシーズン10勝到達。チームの両リーグ10勝一番乗りは58、02、14、21年に次ぐ5年ぶり5度目。ただし過去4度に優勝はない。セ・リーグ一番乗りも21年以来で9度目。こちらは62年に優勝しているが、勝率2位での10勝目。“首位で10勝一番乗り”しての優勝は未経験だ。
○…阪神の開幕から5カード連続勝ち越しは08年の7カード連続以来18年ぶり。
