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 ◇セ・リーグ 阪神5―3中日(2026年4月10日 バンテリンドーム)

 森下が空気を変える一発を放った。中日先発・柳に対し、打線が苦しめられていた中で迎えた0―2の6回1死。外角カットボールを捉え、ソロ本塁打とした。通算12打数1安打の打率・083と抑え込まれていた右腕から、今季初対戦で、嫌なイメージを振り払うような一発を決めた。

 「まずは何とか1本を出してつなごうと思った意識が、いい結果につながったと思います」

 打球は今季から新設されたホームランウイングに飛び込んだ。2月28日の侍ジャパン壮行試合でウイング1号を放った男が、シーズンでもウイング1号。中日勢より早く放ってみせた。右中間、左中間が6メートル前にせり出し110メートル。外野フェンスも4・8メートルから3・6メートルとなった球場。「そもそも、狭くなっているので」と話すが、昨年まで“巨大な壁”に阻まれていた打球が、こうしてオーバーフェンスすることは大きい。

 今季の進化を早くも証明した一発だ。昨年、バンテリンドームでは打率・234(47打数11安打)で1本塁打。いずれもセ・リーグ本拠地の6球場の中では、最も低い数字が残っていた。ちょっとした“鬼門”には「マウンドが少し高い、角度は感じやすくなっていると思う」という印象が残っていた。それでも、背番号1は付け加えた。「そこは言い訳にならない。技術が上がれば、勝手に(数字も)上がってくるでしょ」。例年にまして打撃に向き合ったオフ。その成果を、今季1試合目のバンテリンドームで披露してみせた。

 「勝ちに越したことはないんでね。また明日、あさって頑張ります」

 反撃弾で、リーグ本塁打トップの座をガッチリキープ。状態が良くても、満足する気配は見せずチームバスに乗り込んだ。この男は、まだまだ成長をやめない。 (松本 航亮)

 ▽侍・森下のホームランウイング1号 2月28日、侍ジャパンVS中日のWBC壮行試合第2戦(バンテリンドーム)。侍の5番・右翼で先発の森下が2回の先頭で大野から、前日27日にお披露目されたばかりのホームランウイングに放り込む左越えソロ。記念すべき球場第1号に「あれくらいでホームランになるんだな」とその効果を実感していた。