命の尊さ感じて 長崎・佐世保市動物愛護センター収容の犬、猫のみとりが漫画に 作者タムタムさんら小学校に寄贈

佐世保市動物愛護センター(長崎県佐世保市大潟町)に収容され、獣医師ら職員に寄り添われてみとられた犬と猫のエピソードを記録した漫画が、昨年2月と今年1月に相次ぎ出版された。諫早市在住のtamtam(タムタム)さんが描いた「たまさんちのホゴイヌ2」「たまさんちのホゴネコ2」(いずれも世界文化社)。動物愛護の在り方、命をつなぐことの尊さを考えさせられる内容だ。
動物保護団体で勤務経験があるタムタムさん。県内各地の愛護センターなどに出向いて引き取った犬と猫を育てながら、自身の体験や見聞きした出来事を漫画で表現し、インスタグラムなどの交流サイト(SNS)で発信している。
ホゴイヌ2に登場する雄の老犬「福くん」は2022年10月、柵に囲われた畑の中で発見されて収容。首輪の痕跡もあり、飼い主が捨てたのは明らかだった。
痩せ細り、老いた体で満足に歩けない福くんに元気を取り戻してもらおうと、職員らは歩行補助用のハーネスを作って触れ合い続けた。日ごとに笑顔が増えたが体力の衰えはどうにもできず、4カ月後に職員の腕の中で旅立った。
ホゴネコ2の雄猫「いのりくん」は25年4月、顔にひどい傷を負った状態で収容された。懸命に生きようとする姿に職員も心を動かされケアを尽くしたが、8カ月後に命を落とした。作品では、献身的な家庭に引き取られていく心温まる話も紹介されている。
タムタムさんは作品を小学校に贈る活動もしている。福岡市在住で、愛護センターなどに犬猫用のクッションを届ける坂倉綾子さん(45)もこれに賛同。今回、2人は佐世保市のエピソードを記録する2冊を含む計3冊を市内の各小学校に贈った。
3月24日の贈呈式でタムタムさんは「最後まで命を諦めずにケアする職員の姿に心を動かされた」と話し、坂倉さんは「小中学校時代にぜひ一度は読んでほしい」と願った。陣内康昭教育長は「これを読めば、命に対する感覚が深まると思う」と礼を述べた。
(重川英介)