朝礼で社訓を叫び、ひたすらテレアポ、厳しい叱責も…『ザ・ノンフィクション』で話題の“昭和式企業”をあえて選んだ“Z世代社員”の本音
◆部活のように熱い気持ちになれる
この日社訓を叫んだ田野島瞭さん(23)は、清々しい表情で語る。就活系YouTube番組で同社の山本社長と共演したことをきっかけに、’25年に同社に入社した。小学校から大学まで野球部に所属、同社の「部活のように熱い気持ちになれる文化」に惹かれたと話す。
現在はグローバル人材事業部に所属し、中小企業に外国籍人材を紹介する業務に携わる。企業リストをもとに電話営業をかけ、アポが取れれば、日本全国に商談に赴くというもの。電話の「ガチャ切り」も多いが、「タフさが鍛えられる」と前向きだ。
「出身の京都府福知山市には駐車場が少ない。将来は地元に戻って外国籍人材も活用した企業経営に携わるのが夢。辛い経験も、将来の自分自身のためと思ってやっています」
同社ではほかに若者が「稼ぐ力」を身につけ、即戦力人材となることを目的としたスクールも手がけており、YouTubeやTikTokといったツールを駆使し、社内やスクールの様子を動画で公開している。社内の挨拶として使われる「ゾス!」や、社内イベントなどで披露される「ゾス飲み」といった同社ならではの文化は、SNSで話題になりやすい。反面、社長や幹部社員が厳しい口調で部下を叱る様子は「パワハラ」と炎上することも度々だ。社員たちはどう感じているのか。
◆目標未達を責められてもパワハラとは感じない
「目標未達のときに、『どうしてできていないの?』と上司から言葉をかけられることはあります。でもその目標を掲げたのは、ほかでもない自分自身。それが『パワハラ』だとはまったく感じません」
田野島さんと同じく、グローバル人材事業部に属する岡部アスカオーブリーさん(28)は言う。美容系の仕事や夜職を経て、‘24年末にGPに入社した。日本人の父親とフィリピン人の母親を持つハーフ。将来はGPの子会社をフィリピンでも立ち上げ、日本との二拠点生活を目指す彼女もまた、厳しい環境を自ら望む一人だ。
「喜怒哀楽をさらけ出し、本音をぶつけ合う。これこそ令和の時代にあるべき広報の形。変に襟を正そうとするより誠実です」
GPで代表取締役を務める山本康二さんは、事もなげに言う。
「今の日本は不自然なまでに『ホワイト企業』がもてはやされ、思考停止状態になっている。その中で自分たちはあえて『昭和式』を貫いているというだけです」
◆「常に返事は『YES』か『はい』」ベンチャー企業が掲げる「昭和式社訓」
山本さんの言葉に呼応するかのように、「昭和式」を掲げる会社はほかにも出てきている。
「今は社会全体で、『ハラスメント』と言われるのを恐れ、若手との接し方がわからない人が増えている。自分自身は社員に愛情を持って接し、きちんと『育てる』という姿勢を見せていきたい」
こう語るのは、コールセンターの運営コンサルティング業務を行うICVコンサルティング(ICV)の代表取締役・今井將一さん(54)だ。
