『麺創庵砂田』特製中華そば 1450円 ベースとなるイメージは白河ラーメン。チャーシューは豚内モモ、豚肩ロース、鶏モモの3種

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今、東京の朝ラーメンが熱い!と、つい熱がこもってしまうほど、じわじわと人気が高まっている朝ラーメン界隈。その理由に迫るべく、ライター池田と編集荒川のふたりで都内を巡って参りました。行列必至の専門店から、朝ラーといえばの喜多方系まで、掛け合いと共にお届けします。

【8:00〜】澄んだコクと旨みに熟成麺が絡み細胞が喜ぶ旨さ!『麺創庵砂田』@巣鴨

店主・砂田さんの人柄のなせる技か、店の空気感がどこか温かい。朝一番、目の前に供された「特製中華そば」はスープが美しい。

特製中華そば1450円

『麺創庵砂田』特製中華そば 1450円 ベースとなるイメージは白河ラーメン。チャーシューは豚内モモ、豚肩ロース、鶏モモの3種

名古屋コーチンの鶏ガラを中心に丁寧に炊き上げられ、澄んだ中にも深いコクと旨みがたっぷり。ほどよく醤油が香り、ほっとしつつも旨みが後を引く。手揉みして寝かせたピロピロの麺がまた!スープを持ち上げもちりとして、噛めば甘い。

炭火で吊るし焼きされた3種のチャーシューの旨みと、その燻香がスープに溶け込む。いやはや。そのすべてがひとつになって響き合った味わいが体に染み渡る。朝からこいつはたまらん贅沢やね。

『麺創庵砂田』店主 砂田裕史さん

店主:砂田裕史さん「朝はすべてのメニューを用意しています」

『麺創庵砂田』

[店名]『麺創庵砂田』

[住所]東京都豊島区巣鴨4-24-6富士ビル1階

[電話]非公開

[営業時間]8時〜14時半(スープ・麺切れ次第終了)

[休日]月・木(臨時休業等はXにて告知)

[交通]JR山手線・都営三田線巣鴨駅正面口から徒歩12分

【7:00〜】アゴダシ香るすっきり醤油につるもち麺が旨し『喜多方食堂 浅草本店』@稲荷町

きれいに澄んだスープからは心地よくアゴダシが香る。一尾一尾丁寧に焦がさぬように焼いて醤油に漬け込み、熟成したカエシがこの風味を呼ぶのだ。

蔵出し醤油ラーメン(鶏油)900円

『喜多方食堂 浅草本店』蔵出し醤油ラーメン(鶏油) 900円 豚と鶏のガラ、数種の節、野菜で取るスープがしっかり味を支える

醤油は喜多方・星醸造の数種を合わせて使っている。そのスープを気持ちよく持ち上げるのが、喜多方ラーメンらしい熟成多加水の麺で、表面はつるり、噛めばもっちりして何とも旨い。手製の鶏油がほどよくコクを加えているのだ。

醤油もいいが、同じく蔵出しの味噌を使う味噌ラーメンもよし。こちらは背脂がまったり感を与え、実にあったまるおいしさ。地元や場所柄観光の人も含めて、店はいつも朝から盛況だ。

『喜多方食堂 浅草本店』店主 金本聖二さん

店主:金本聖二さん「濁らぬように丁寧に取るダシも大事にしています」

『喜多方食堂 浅草本店』

[店名]『喜多方食堂 浅草本店』

[住所]東京都台東区元浅草4-7-15中澤第一ビル1階

[電話]050-1524-0904

[営業時間]7時(火のみ7時半)〜15時

[休日]水(材料なくなり次第終了)

[交通]地下鉄銀座線稲荷町駅3番出口から徒歩4分

朝イチからスープで細胞が目覚めていく

荒「寒い、眠い……、実は朝からラーメンなんて気が知れないと思ってました。やっぱ飲んだ後の〆ラーでしょと」

池「若いな。でも朝ラーメンでしか味わえないものがあるんだよ。目覚めさせてくれたのは『麺創庵 砂田』だな」

荒「一体何が…!?」

池「朝イチ、まだ何ものにも染まらない体に入れるからこそ、澄んだコクと素晴らしい旨みのスープが五臓六腑に沁みる、沁みる。無化調のきれいな味も朝だからこそより鋭敏に感じられるわけで」

荒「そういえば池さん、心なしかツヤツヤしてます」

池「朝は体にいいもん入れな。朝ラーに感謝。帰りの巣鴨地蔵通りも清々しかったよ」

荒「僕も『砂田』の『朝かけ節中華』はど真ん中でした。かけ蕎麦みたいな節の香りが前に出てそれを動物系のスープが支えてる。やっぱ日本人は節系の香りにやられます」

池「あれ?朝はヨーグルトだけとか言ってなかった?」

荒「いやいや。ところで朝ラーの聖地って言われる場所があるのは知ってますか?」

池「喜多方や藤枝では昔から朝ラーメンが盛んらしいね。あとは豊洲みたいな河岸でもひと仕事終えたあとの熱々のラーメンは人気だよな」

荒「そうなんです。喜多方では昔は畑仕事のあとに食す人なども多かったとか。で、喜多方ラーメンといえば浅草の『喜多方食堂』ですよ。ふわりと立ち昇るアゴダシと醤油の香りに、もちもちで啜り心地のいい麺は、一気に食欲を刺激します。温かい汁物感覚で、体もぽかぽかになった」

池「朝イチに元気をくれる」

荒「なんですよ。しかも休みの日はちょっとつまんで、朝ラービールなんてのもあり」

池「く〜、それもよき。にしてもあれだね、朝ラーはやっぱりスープが大事だね。で、友吾(荒川)の好みはダシのよく効いた醤油清湯系だと」

荒「ご当地蔵出し味噌を使った味噌ラーメンのちょっとまったり感も捨てがたいですが。あと、ずずず〜っていきたいので、麺ののど越しも重視!」

池「喜多方ならではの熟成多加水平打ち麺ね。そういえば『砂田』は白河ラーメンをイメージしてるって言ってたし、わりと伝統的な中華そばタイプが人気ってことかな」

クリーミーな豚骨醤油のコクがじわんと旨沁み!『洞くつ家』@吉祥寺

※2026年1月6日から営業時間が11時〜23時に変更となりました。

横浜家系御三家の一角『六角家』から独立してすでに23年。すっかり街に根づいた存在で、出勤前の常連も数多い。

朝から濃厚家系?ノーノー、心配無用。熱々のスープはほどよくクリーミーで適度な醤油感。まあるい感じに豚骨のコクと旨みも溶け込んでいて、むしろ朝からありがたい味わい。ほどよく鶏油の香りも効いている。

ラーメン900円

『洞くつ家』ラーメン 900円 チャーシューは温めて切り立てを出す。スープはいつも熱々だ

そして家系正統派といえばの酒井製麺の特注麺だ。適度なウェーブでもっちりと弾力があり、スープと抜群によく絡む。肩ロースのチャーシューにほうれん草と大きめの海苔3枚がデフォルト。味のカスタマイズもできるのでお好みで。

『洞くつ家』店主 永井康介さん

店主:永井康介さん「しょっぱ過ぎずスープが生きたバランスです」

『洞くつ家』

[店名]『洞くつ家』

[住所]東京都武蔵野市吉祥寺南町2-2-4・1階

[電話]0422-46-9121

[営業時間]11時〜23時

[休日]月(祝の場合翌火休)

[交通]JR中央線ほか吉祥寺駅南口から徒歩3分

【6:00〜】サバ香る魚介系の奥行きとコクふわり麺がぴったり『えーちゃん食堂』@目黒

深夜から仕込み始めて開店すぐの朝6時にはすでに行列。3時間ほどで100杯を売り切ると朝ラーの話題を攫う人気店だ。

店主の佐藤栄市さんは元芸人。10代からラーメン屋でバイトをしていた根っからのラーメン好きだ。「毎日食べられるラーメンを」というその一杯はスープにサバがしっかり香る。カエシにはドンコやトンビ、しょっつるなども入るといい、絶妙に複雑な奥行きあり。

ラーメン1000円(+生玉子100円)

『えーちゃん食堂』ラーメン 1000円(+生玉子 100円) 豚のバラ3枚、ウデ1枚が入るチャーシュー。バラの脂と腕の肉感、どちらも旨し

ふわりとした食感の中太麺のやさしさとも相まって、旨さが沁みる〜のだ。また、毎週月曜日には時にあん肝、時にカニなどを使う限定スープも提供。スープはずっと継ぎ足しゆえ、それも味を深めている。

『えーちゃん食堂』店主 佐藤栄市さん

店主:佐藤栄市さん「バランスのいい突出し過ぎない味を心がけています」

『えーちゃん食堂』

[店名]『えーちゃん食堂』

[住所]東京都目黒区下目黒3-4-6サンライズ目黒1階

[電話]非公開

[営業時間]6時ごろ〜10時半(材料なくなり次第終了)

[休日]水・ときどき火(Xにて告知)

[交通]JR山手線ほか目黒駅東口から徒歩10分

朝6時に着いたらすでに行列!?

池「でもさ、吉祥寺の家系『洞くつ家』もよかったよね」

荒「これまた朝からこってり家系ラーメン??とか思っていたんですが、懺悔します」

池「私に告解したまえ」

荒「くどいとかは全然なくって、熱々で出てくる乳化したクリーミーなスープはむしろ朝から食べやすいなと」

池「あそこは自家炊きで営業中もずっと骨を継ぎ足し、丁寧に微調整してるからな」

荒「家系正統派と言われる中太麺のもっちり感もスープにぴったりですしね」

池「あとはあれ、麺の硬さ、味の濃さ、油の量をカスタマイズできるのもありがたい」

荒「ラーメンを味噌汁みたいな立ち位置にして、ミニラーメンと卵かけご飯なんて組み合わせの人にも脱帽っす。帰り際のひと言が『いってらっしゃい』ってのもよかった」

池「朝6時からで出勤前の人とかに朝ラーもすっかり定着。街を活気づける存在だね」

荒「で、朝早いと言えば……」

池「ココは外せない『えーちゃん食堂』だ。公式の開店時間は6時ごろなんだけど、準備でき次第開店。まだ真っ暗な6時前に着いたらすでに店前に行列だった。早い日は7時過ぎに売り切れちゃうというからね。しかも友吾……」

荒「少し遅れてすんません!でも、サバがメインで香る奥行きのあるスープはさすがでしたね。心地いいコクで」

池「醤油がほどよく立って、ふわふわ系麺も独特!」

荒「常連に人気という食べ方、生卵につけてすき焼き風に食べるってやつ。あれも朝イチにのど越しよくてハマるっす」

池「食べ終わって外に出たら明るくなってて気持ちよかった。今日もやったるかと」

荒「朝ラー、最高っす!」

撮影/西崎進也(砂田、えーちゃん食堂)、小澤晶子(喜多方食堂)、鵜澤昭彦(洞くつ家)、取材/池田一郎

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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※月刊情報誌『おとなの週末』2026年2月号発売時点の情報です。

【画像】ラーメンをすき焼き風に食べる!? 朝ラーメン人気店のメニュー一覧(24枚)