普段は温厚で甘えん坊なチョロすけくん。保護した子猫の頃から一度も「シャー」したことさえなかったのに……(画像提供:まめたろさん)

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先日、2026年の「ネコノミクス(猫の経済効果)」が約2兆9488億円に上るという試算が発表されたが、今年も多くの企業が、猫の日(2月22日)を中心にさまざまな猫に関する企画商品などを発売。

【写真】捕獲器のなかで暴れてケガをしてしまった猫さん

なかには、「猫を外に連れ出す」ことを推奨するイベントの開催も多く見受けられたが、猫は環境省が「室内で飼いましょう」と推奨している愛玩動物。

猫の外飼いや安易に外に連れ出すことは、「猫を危険にさらしている」として環境省も公式HPを通して注意喚起を行っているにも関わらず、今春から「猫」と旅をするドラマもスタートするという。

なぜ「猫」は外に出してはいけないの? 

そもそも、なぜ猫を安易に外に出してはいけないのか?

その「なぜ」を恐ろしい形で体験してしまった、まめたろ(@kuromametaro620)さんが自身の経験談をX(旧Twitter)に投稿した。

「完全室内飼いで大事に育てていたはずの愛猫が、1年前、ふと油断した瞬間に自宅から逸走」

「すぐ猫探偵さんに依頼して3日目に捕獲。外で左前脚を怪我して縫いました。猫に怖い思いをさせた自分を責めてすごく反省したし、もし車に轢かれていたらと思うと…何度でも言うぞ、猫は完全室内飼い!!!」

<まめたろさんのXの投稿より抜粋>

「あれ?」と思った瞬間……

子猫の頃、事故に遭ったところを保護された10歳になるキジ白のオス、まめたろくんと、子猫の頃に近所で保護された3歳になる茶白のオス、チョロすけくんという、2匹の保護猫と暮らす、まめたろさん。

2024年11月、「あれ?」と違和感を覚えた直後に逸走してしまったのは、当時約1歳半のチョロすけくんだった。

「チョロすけを保護して約1年が経った頃でした。我が家のリビングと玄関の間には玄関ホールがあり、外出時はリビング扉を閉めてから玄関の扉を開ける、という決まりです。その日は恐らく、リビングの扉を閉める際にチョロすけが後を着いて来ていることに気づかず、そのまま外出。帰宅時、玄関扉を開けると玄関ホールにチョロすけがいました。あれ?なんでここに?と思った瞬間、ゆっくり閉まる玄関扉の隙間からサッと飛び出してしまいました」(まめたろさん)

泣きながら這いずり回って探しました

動転したまめたろさんは、「『脱走した猫を追いかけてはいけない』『大声で名前を呼んではいけない』という、猫の脱走時にNGとされている行動をコンボで決めてしまいました」と、当時を振り返る。

「チョロすけもパニックが加速したのか、斜め向かいのお宅の庭へと駆け抜けて行きました。泣きながらチョロすけの名前を呼び続け、懐中電灯でよそのお宅の車の下を照らして這いずり回る異常者のような私を見かねて、近所の猫飼いさんが声をかけてくれ、捕獲器を貸してくれました」(まめたろさん)

季節は晩秋。18時半を過ぎると周囲はすっかり暗くなり、ほとんど捜索が出来なかったそうだ。

「21時頃、わらにもすがる思いで探した猫探偵の会社に連絡しました。幸い、近くに動ける探偵さんがおられ、22時半頃に到着。すぐに捜索が始まりました。探偵さんいわく、当日のうちに自宅の様子をうかがうチョロすけの姿を確認できたものの、他の猫が怖いのか、なかなか自宅に戻れない様子だったそうです。

翌日、探偵さんのアドバイスをもとに、落ち着いたトーンで名前を呼びながら、近所の方や、犬と散歩中の方に聞き込みをしました。夜は探偵さんが捜索してくれて、何度も姿は確認したそうですが、捕獲には至りませんでした」(まめたろさん)

一度も「シャー」したことがない愛猫が、血まみれで威嚇

逸走から3日目。なんと、捕獲器の設置をお願いしていたご近所の方から、「茶トラの猫が捕まってるみたい」という知らせがあったそうだ。

「急いで駆けつけると、捕獲器の中でパニックになり暴れて血まみれになったチョロすけがいて、『う〜…』と低くうなっていました。保護してからこの日まで、シャーと威嚇したことさえなかった甘えん坊で温厚なチョロすけが、野生の本能むき出しでうなっていた姿が今でも忘れられません。探偵さんと一緒に自宅へ連れて帰ると、すぐに私のことを思い出してくれたようで、ゴロゴロと言いながら甘えてくれました。泣きました……」(まめたろさん)

とにかく「人間が気をつける」こと

捕獲器内で暴れた際、左前脚の付け根がざっくりと切れる大怪我を負い、血まみれだったチョロすけくん。すぐに動物病院で治療してもらったおかげで、2ヶ月後にはすっかり毛も生え揃い、完治したそうだ。

「現在は、玄関ホールに行く前に猫2匹の姿を目視で確認、リビング扉を確実に閉め、玄関を開ける前にもう一度、リビング扉が閉まっているか、猫はいないかを確認すること、玄関から帰ってくる時はサッとドアを閉めることなど、神経質なほど徹底しています。基本的に、猫が脱走する時は足元からスルッと出ていくので、二重扉が設置できないお宅であれば、足元だけでも柵があると安心だと思います。事故を防ぐためには、とにかく人間が気をつけるしかありません」(まめたろさん)

チョロすけくんの場合、すぐに猫を探すプロやご近所さんの力を借りられたこと、交通事故などに巻き込まれなかったことも幸運だった。

「完全室内飼いの猫も、外飼いの猫も、一歩外に出れば危険がたくさんあります。とくに外にいる猫の死因の1位はロードキル(交通事故死)です。他にも、マダニなどの感染症、他の猫とのケンカ、人間だって優しい人ばかりとは限らないです。逸走してしまった猫が必ず帰ってきてくれる保証なんてありません。後悔してからでは遅いんです。私自身も完全室内飼いと脱走対策を徹底し続けたいですし、大切な家族である猫を守りたいと思っています」(まめたろさん)

「猫の安全を守ること」が猫と暮らす人間の義務

まめたろさんの経験談からもわかるように、室内飼いや脱走対策を徹底していても、万が一の事故は起き得る。また、逸走しパニックを起こした猫を捕まえることは、例え飼い主であってもほぼ不可能と、多くの猫飼いが口を揃えて訴える。

「3日目で捕獲できたとはいえ、本当に恐ろしい体験でした……。私が投稿した『完全室内飼い』という言葉に対して、<猫の自由>とか<猫による>といったリプも来ていましたが、猫の安全を守ることこそが、猫と暮らす人間側の義務ではないでしょうか」(まめたろさん)

「猫イベント」も「猫ドラマ」も、猫の安全を第一に、愛猫家たちが安心して楽しめる内容であってほしい。

あんな思いはもうしたくないから……猫は内!

「ほんとそう。絶対外には出さない!」

「猫は絶対に完全室内飼いでなければいけないのです。一歩外に出たら危険しかありませんので」

「完全室内飼いでも脱走させてしまうこともありますよね。私も引越し先の慣れない地で脱走させてしまい確保まで1週間…あんな思いは二度としたくないです」

「好き好んで猫を外に出す人がよくわかんない。3歳のヒトの子を1人じゃ出さんだろうに」

「猫も外の世界を見たいのでは?」←こういう人間の妄想が危険の始まり

「つい先日も、真冬の深夜0:30に猫にハーネスをつけて散歩させて逃した猫飼いがいました。何が悪いのかすらわかってなく、普段から外に出してるみたいでまたやりそうで怖いです」

「猫は自分の居場所が全世界だと思うらしい。だから完全室内飼育が可能なのだ。狭いとも窮屈だとも、外の世界を見たいなどとも思っていない。それは人間の勝手な感情移入。だが新しい世界……例えばそれまで立ち入らせてない部屋などに一度でも立ち入ると、そこもテリトリーに書き加えられ、再び立ち入りを制限すると不当に感じて無理にでも入ろうとする。猫の世界が広がり、リスクが拡大するのはこの時からだ」

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ リュウ)