[3.15 J-VILLAGE CUP U-18 U-18日本代表 2-0 神村学園高 Jヴィレッジスタジアム]

「絶対にここで結果を出して、戻らないとなと思っていた」

 U-18日本代表FW葛西夢吹(湘南U-18)は、「第8回J-VILLAGE CUP U-18」の第3戦を終えた後、この大会への思いをそんな言葉で表現した。

 神村学園高との試合になったこの第3戦、葛西はFWの一角として先発出場。追加点となる1ゴールを突き刺し、2-0での勝利に貢献してみせた。ここまでの試合でもゴールへの意欲は強く感じさせたものの、なかなか結果が付いてきていなかっただけに、ゴール後には安堵の表情も浮かべていた。

 後半20分に生まれた葛西のゴールは、“らしさ”を感じさせるものだった。自分まで届かなかった縦パスを奪い返すような形から強引にゴール方向へと持ち出し、強烈な右足シュートでGKのニアサイドを突き破ってみせたのだ。

「切り替えのところは智さん(山口智監督)がめちゃめちゃ大事にしているので、そこはうまく体現できたと思います。やっぱり僕は綺麗なゴールよりああいうゴールが大好きなので、『自分らしいな』と思いました」(葛西)

 今年、葛西は湘南U-18から東洋大へと進学する。すでに2月からチームで練習は重ねているものの、「コンディションがまだまだ上がってきていない」という状態だが、今の自分にできる全力を出し切る姿勢をこの代表活動でも貫いている。

 葛西が代表に対して並々ならぬ思いを抱くのは、「去年本当に良い気持ちになれる時期がゼロだった」と振り返る1年があったからだ。

 昨年4月には、AFC U17アジアカップの最終メンバーに選ばれながら負傷で辞退することになり、「人生で一番くらいに悔しい思いをした」のが皮切りだった。その後も「小さいケガを繰り返してしまって、9月にも足首の大きいケガをしてしまい、12月くらいまでやれなくなってしまった」と、不運が続いた。

「目標にしていたトップチーム昇格もできなくなって、それは本当に自分の力不足だったので、仕方ないんです。結果も出せていなかったので。でも去年1年間、本当にずっと苦しかった」

 だからこそ、昨年6月以来の代表招集となった今大会は、特別な思いを持って参加している。そしてもちろん、進学する東洋大での爆発も狙っている。

「めちゃくちゃレベルが高くて、強いし速いのは当たり前で、すごく上手い人たちがいます。自分が足りないものを学べる場だと思いますし、その中で頑張って、まずは関東リーグに出られるようになりたい」

 ケガが重なってしまったこともあり、大学では体のケアや、そもそもケガをしないための体作りにも力を入れていきたい考えも持っている。

「この1年間苦しかったですけど、自分にとって大事な1年間だったんだと今は思っています」

 この1ゴールで今後の代表招集が約束されるなんてことはもちろんないのだが、葛西にとって大きな1歩になったのも間違いない。

「今年の目標は、まず大学で出場して点を取ること。そこを目指します。(1つ上の)U-19代表とか(来年開催される)U-20ワールドカップに行ける自信もあるし、大学で結果を出していれば観てくれると思っています」

 泥臭くゴールを目指すストライカーは、苦しかった「大事な1年間」を経て、次のステージでのブレイクスルーを狙っている。

後半20分、U-18日本代表FW葛西夢吹(湘南U-18)が追加点

(取材・文 川端暁彦)