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和製X1/9! コンパクトさがウリの初代MR2

最近では、以前は安価に手に入ったクルマも、気づけば価格が高騰しるケースも。トヨタのスポーツカー『MR2』もじわじわ中古車価格が上昇中です。後継車のポジションにある『MR-S』も含め、その動向をお送りします。

【画像】中古車購入のラストチャンス迫る? 価格上昇中のトヨタMR2&MR-S、そしてあのカスタムモデルも! 全15枚

国産中古車は一部車種で価格上昇を見せており、かつてはリーズナブルに手に入った手頃なスペシャリティカーやスポーツカーも、気がつけば『えっ、そんなに高いの』と思わせる価格帯で驚かされることも。MR2も、まさしくそのフェーズに突入しています。


エッジが効いたデザインが、今見ると新鮮な初代トヨタMR2。    トヨタ自動車

MR2の初代モデル(AW10/11型)は1984年に登場。80系カローラのFF用パワートレーンを流用することでリーズナブルなスポーツカーを生む手法は、『フィアット X1/9』などでも見られました。

リトラクタブルヘッドライトを備えた低いノーズ、エッジの効いたボディは全長3950mmというコンパクトなもの。当初は1.5L直列4気筒SOHCの『3A-LU』型と1.6L直列4気筒DOHC『4A-GELU』型エンジンを搭載していました。

何を隠そう筆者が最初に乗ったクルマ

1986年のマイナーチェンジでは内外装のリファインを行い、スーパーチャージャー版(エンジンは『4A-GZE』)も追加。1989年まで生産されました。

AE86と同じ4A-Gを積むミッドシップスポーツカーゆえに中古車市場でも人気が高く、大手中古車検索サイトでは、2026年1月現在の平均価格はなんと約250万円。しかもなんと450万円や500万円に達する個体もあるほどです。


大学時代、最初の愛車である初代MR2(前期Gリミテッド『ホワイトランナー』)でジムカーナを行う筆者。    遠藤イヅル

全体の傾向としては10万km以上でも250万円の高価格。10万km以下が欲しい場合はATモデルしかないという状況ですが、それでも150万円は必要。修復歴ありの個体もあるので要確認です。

何を隠そう筆者が最初に乗ったクルマは、初代MR2前期型。1985年式の『ホワイトランナー』で、大学の先輩の彼女から約20万円で譲ってもらいました。1990年代初頭では、AE86と同様に『安く譲ってもらえるクルマ』だったのです。あれから30年以上が過ぎたとはいえ、驚きの価格となっています。

流麗で高性能。本格派スポーツカーに進化した2代目

2代目MR2(SW20/21型)は、流麗なデザインで1989年にデビューしています。ボディサイズは全長4170mmに大型化され、エンジンも2Lに拡大。ノンターボが『3S-GE』、ターボモデルには『3S-GTE』エンジンを搭載し、発売開始時はそれぞれ165ps/225psを発生しました。

初期モデルはスピンしやすいなど操縦性や足回りの評価が低かったため、1991年のマイナーチェンジでホイールの15インチ化やサスペンションの改良が施されています。1993年には再びマイナーチェンジを受けて後期型へ。最高出力がノンターボで180ps(4速ATでは170ps)、ターボは245psまでパワーアップしています。その後も改良を重ね、1999年まで販売されました。


なめらかなデザインを得た2代目MR2。写真は15インチホイールを得た以降の姿です。    トヨタ自動車

初代よりもスポーツカー感やパワーが増した2代目だけに、中古車相場が気になるところですが、予想通りこちらも高騰傾向。平均価格は約225万円……あれ、初代より少し低いではないですか!

今や手が届かないクルマになりつつある

調査時の掲載台数58台のうち、走行距離が15万や20万kmオーバーでも価格は150万円前後に達し、低走行だと350万円以上は確実です。改造やパーツ交換された個体も多いですが、あまり価格に影響はしていない様子。

一方、初代と同様にAT車は比較的手に入れやすくなっています。こちらも『事故歴あり』が多いので、チェックが必要です。


初代よりも20cm以上伸びた全長により、フォルムも流麗に。登場時はホイールが14インチと、今では考えられない小径サイズ。    トヨタ自動車

2代目も、以前は安く手に入るお手頃スポーツカーの印象がありましたが、今や手が届かないクルマになりつつあります。しかし程度良好な高性能ミッドシップスポーツカーが300万円台で買えるということは、現代の価値で見ると決して高い買い物ではないのかもしれません。

方向転換してオープンカーとなったMR-S

1999年には『MR-S』(ZZW30型)が登場。事実上、MR2の後継モデルという立ち位置で、型式もMR2の系譜を持ちますが、発表時トヨタは、『MR-Sは新しいライトオープンスポーツであるため、MR2の後継モデルではない』と説明していました。

しかし海外では、MR-Sが『ミセス』と読めてしまうこともあって、『MR2ロードスター』、『MR2スパイダー』として販売されました。


MR-Sではリトラクタブルヘッドライトを廃止。ボディデザインも大きく変わり、全体的にスクエアなイメージに。    トヨタ自動車

排気量は1.8Lに縮小。『1ZZ-FE型』エンジンは140psを発生したものの、MR2よりも大幅に抑えられ、ターボモデルも未設定でした。車重約1tという軽量車体がもたらす軽快さも魅力的です。

新開発のシーケンシャル式5速(のちに6速化)セミオートマチックトランスミッションも搭載され、2ペダルでもファンなドライビングが楽しめました。2002年にマイナーチェンジで各部を変更後、2007年まで販売されました。

MR2と比べると、MR-Sはかなりお買い得感あり

そしてMR-Sの中古車価格は、というと平均価格は約120万円、中心価格帯は60万円〜160万円でグーンと下がります。10万kmオーバーで100万円以内が多いですが、中には10万km以下でその額に収まる個体も見つかります。掲載台数は150台以上もあるので、選択肢も豊富です。

高ッ! と思ってしまうMR2と比べると、MR-Sはかなりお買い得感があります。もちろんMR2とMR-Sは性格が大きく違うので単純に比較はできず、人によって好みも変わります。


MR-Sは、海外では『MR2』の名前を継続。欧州では『MR2ロードスター』、北米では『MR2スパイダー』を名乗りました。写真はドイツ仕様。    トヨタ自動車

しかし、『このクルマが欲しい!』という気持ちは価格に関係ないものです。もし手頃に中古でスポーツカーを楽しみたい、ということでしたら、高い操縦性と軽快さを有するオープンカーであるMR-Sは、まさに大穴なのではないでしょうか。