「やっぱり『またジェフか』という思いを持った人も多分いたんじゃないかと。でも、それを覆すくらいのパワー、エネルギーを今年のチームは発揮できたのかなと。本当にこんなに監督やコーチ陣を信頼しているチームってなかなかない。『ファミリー』みたいな感じで昇格できたのは最高ですね」と米倉は神妙な面持ちで言う。先輩であり千葉レジェンドの一人である坂本将貴コーチも「走る、戦うという古河電工時代からの伝統と、慶行の戦術と方向性がこの3年間でしっかりと合致した」と力を込めていたが、米倉自身も指揮官のマネージメント力には舌を巻いたという。

「慶行さんがシーズン終盤の方には練習終わりにスタッフ一人ひとりに話をさせたり、選手にも一言は話させたりしましたけど、それによってみんなに責任感が生まれる。それが結束につながったところもあったと思います。加えてキャプテンの(鈴木)大輔の存在感がすごかった。あいつは言葉を持っていますし、全て引っ張ってくれた。心から称えたいですね」と大ベテランはともに苦しんできた鈴木にも感謝。そういった気配りができるところも米倉の持ち味だろう。

「僕としては別にそこまで活躍したシーズンじゃない」とは言うものの、やはり大宮戦のインパクトは強烈だった。若い姫野のポテンシャルを引き出し、千葉の明るい未来を印象付けたことは特筆すべき点。この男なしに17年ぶりのJ1復帰はなかったと言っても過言ではない。

「ただ、大事なのはここから。クラブがしっかりとしたビジョンを持ち、選手・スタッフも責任と覚悟を持って大きく成長しなければいけないと思います。J1でのヨネのプレーをまた見たいです」と水野もエールを送っていたが、ここからが本当のスタート。2度とJ2に落ちない強い集団になるために、米倉にはまだまだチームを引っ張っていってもらわなければ困るのだ。

「今は全く考えていないです」と本人は全てが白紙だと話したが、イビチャ・オシム元監督らが築いたクラブとしてのベースを引き継ぎ、発展させるためにも、米倉の存在は絶対に必要だ。周りを見れば、ガンバで共闘した丹羽大輝や倉田秋らは今も現役を続けている。そういった仲間と切磋琢磨しつつ、日本最高峰のJ1リーグで再び異彩を放つ米倉の姿をぜひ見たい。それを先人たちも強く願っているはずだ。

取材・文=元川悦子


【ゴール動画】カルリーニョス・ジュニオが値千金の先制弾!