16日からの週は、ドル買いが優勢だった。主にイスラエルとイランの紛争激化が懸念材料として取り上げられ、リスク警戒型のドル買い圧力がかかった。ただ、週末には米国がイラン核施設攻撃に参加するとのリスクについては、ホワイトハウスが「2週間以内」にイラン攻撃を行うかどうかを決定すると発表したことがやや市場の警戒感を緩和させている。また、この週は各国の金融政策発表が続いた。日銀は予想通り政策金利を据え置き、国債買い入れ減額ペース縮小についても発表された。内容は市場に周知されており波乱はみられず。植田日銀総裁は当面の利上げについては慎重な姿勢を示した。米FOMCも予想通り政策金利を据え置いた。メンバーの金利見通しは年内2回利下げの見方を踏襲しており、一部にみられた1回への変化はなかった。パウエル議長会見では完全に関するインフレ圧力が指摘され、当面の利下げの可能性が後退している。スイス中銀は予想通り25bpの利下げでゼロ%に政策金利を引き下げた。今後のマイナス金利についての可能性を排除せずとした。英中銀は予想通り政策金利を据え置いた。票割れは6対3となり、市場予想の7対2よりも利下げ支持が多かった。ドル買い主導の展開となるなかで、円相場はやや円安に、ユーロポンドはポンド安に振れた。当面の日米金利差縮小への思惑が後退したことや、先週のECB理事会での利下げ打ち止め感との比較では英中銀については今後の利下げ可能性を残す結果となっている。


(16日)
 東京市場で、ドル円は上に往って来い。、朝方に中東情勢の緊迫化を受けて有事のドル買いが優勢となり144.75付近まで上昇した。しかし、午後にかけては伸び悩み、午前の上げを帳消しにして、一時144円割れに沈む場面があった。ユーロドルは朝からドル高傾向となり、一時1.1524付近まで弱含んだ。しかし、東京終盤に入ってドル売りが優勢となると、一転して1.1562付近まで上昇する場面があった。ユーロ円はドル円につれ高となり、朝方に一時166.87付近まで上昇。その後は上げが一服し、166円台半ばで小動きとなった。

 ロンドン市場は、ややドル売りに傾斜。先週末からイスラエルとイランの紛争が激化しており、リスク回避の動きが広がり、ドルが買われた経緯がある。しかし、週明けのロンドン市場では調整的なドル売りの動きが優勢になっている。欧州株や米株先物・時間外取引は反発、原油や金相場も上昇一服。ただ、中東情勢については特段の良いニュースはみられず。原油にとってはイランの石油輸出施設の被害が少なかったことなどが調整を誘っている。G7首脳会議が行われているが、現時点では目新しいニュースは出ていない。米国の親イスラエル姿勢には変化はみられず、G7全体での合意形成は困難とみられている。ユーロがやや堅調。デギンドスECB副総裁が「市場は決定会合後のメッセージを完全に理解している」「ユーロドルの為替レートが1.15でもインフレ目標達成の大きな障害にはならない」などの述べたことが、市場に当面の利下げ打ち止め感を広げたようだ。ドル売りに押されて、ドル円は144円付近に軟化、ユーロドルは1.15台後半、ポンドドルは1.35台後半に上昇。ユーロ円は一時167円台乗せ、ポンド円は196円台乗せまで買われたあとは調整売りが入っている。

 NY市場で、ドルは下に往って来いの展開。ドル円は序盤に一時143円台に下落したものの、終盤にかけて145円付近まで買い戻された。中東情勢については、イランが停戦を促しているとの報道もあり、先週の警戒感は一服。原油相場も下落。イランの原油輸出インフラに損害が出ていないことや、イランがホルムズ海峡の閉鎖を行っていないこともサポートとなっていた模様。先週のIMM投機筋の建玉報告で円ロングが依然高水準だったことも米FOMCの週とあって調整を促していたようだ。 ユーロドルは、一時1.16台を回復する場面が見られたものの、1.15台半ばに戻した。 ポンドドルは終盤に伸び悩んだものの、1.36台を一時回復するなど高値圏を維持。英中銀は今週、政策委員会(MPC)を開催するが、金利据え置きが確実視されている。先週の英雇用統計は英労働市場の減速を示したにもかかわらず利下げを見送り、慎重姿勢も強調すると見られているようだ。