WBC終わった今…「ペッパーミル」どうする?(画像はイメージ)

写真拡大

日本代表が優勝を飾ったWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で話題になった、握り拳を上下に重ねてひねる「ペッパーミル」パフォーマンス。本物の「ペッパーミル」を応援グッズとして買う人が相次ぎ、ニュースでも大きく報じられた。

WBCが終わって一週間が過ぎた今、侍ジャパンの応援のためにペッパーミルを買った人は、一体どうしているのか。爆発的ブームとなったペッパーミルの「その後」を追った。

メルカリでは多数出品も

ペッパーミルパフォーマンスは、日本代表の1番打者として活躍したラーズ・ヌートバー選手(カージナルス)がアメリカから持ち込んだ。ヒットなどを打った際、握りこぶしを重ねて、胡椒挽きのようにひねるポーズを披露。ベンチの選手も同じポーズを行い、活躍に応えるというものだ。今大会の侍ジャパンの躍進とともに、パフォーマンスの知名度も上昇。ファンの間でも、応援の際のポーズとして定着した。

本物の「ペッパーミル」にも熱い視線が注がれた。テレビでは、道具街として知られる浅草・かっぱ橋などでペッパーミルを買い求める客の姿が連日報じられた。ペッパーミル製造大手の仏プジョーは、日本での盛り上がりを受け、インスタグラム上でペッパーミルのプレゼントキャンペーンを実施。野球とは関係のない分野にも需要が波及した。

侍ジャパンは準決勝メキシコ戦で劇的勝利を飾ると、決勝アメリカ戦でも接戦を制し、3大会ぶりの優勝。WBCフィーバーが日本中を熱狂させた。歓喜の瞬間から一週間――。応援グッズとして使われたペッパーミルは今、どうなっているのだろうか。

3月29日現在、フリマアプリ「メルカリ」で「ペッパーミル」と検索すると、通常のペッパーミルが「WBCの応援グッズ」として売り出されている例が今も多数ヒットする。出品商品の中には「短期間使用しました。もう使わないので出品致します」「会社の催しで必要になり、一度手にしましたが、ペッパーミルとしては未使用です」といった説明書きがある商品も。いずれもWBCの応援絡みで使用されたものかは不明だが、説明欄には「WBC」や「侍ジャパン」といったワードがみられた。

「野球盛り上がったら応援グッズとして」「料理用に」

実際に応援グッズとしてペッパーミルを買った人は今、どうしているのだろうか。

3月27日、J-CASTニュースの取材に答えたAさんは、ヌートバー選手の応援グッズが買えなかった代わりに、1980円のペッパーミルをAmazonで買ったという。WBC終了後は「コショウも一緒に買って、料理に使っています」と説明。今後は「野球の試合を見ていて盛り上がったら応援グッズとして使うかもしれません」とした。

また、侍ジャパンの試合を東京ドームで応援するため、友人とペッパーミル(1個500円)を複数個買ったというBさんは29日、「しばらくの間は他の応援グッズと共に部屋に飾っておくつもりです。もしかたら、料理用に新たな調味料を買い、ペッパーミルの正規の使い方をするかもしれません」と伝えた。

ペッパーミルを購入した人の中には、手の込んだ楽しみ方をする人もいた。28日、「還暦の野球ファン」だとするCさんは、浅草・かっぱ橋で購入した2000円のミルに紺色っぽい塗料を塗り、さらにチームのロゴなどを貼りつけて「WBC仕様」にアレンジしたことを明かす。「友人にも好評の出来栄え」の改造ペッパーミルをスポーツバーに持ち込み、1次ラウンドの試合を観戦した。そこでは、こんなエピソードも生まれたという。

「1次ラウンドの時に、元阪神タイガースの川尻哲郎さん(※過去3度の2桁勝利を挙げるなど活躍)がやられている新橋の『TIGER STUDIUM』(タイガースタジアム)というお店で観戦しました。そのときに川尻さんが僕のペッパーミルを見て、侍ジャパンの勝利の瞬間に『貸して』と言っていただき、満員のお店でペッパーミルをしていただきました!ただ、その後はジャパンの勝利なのに、全員で『六甲おろし』を大合唱していました(笑)」

今後はWBC戦士が出場するプロ野球の試合に応援グッズとして持参し、帽子につけて「感動をありがとう!と伝えたいです」と意欲を示す。今夏には代表を途中離脱した鈴木誠也選手が所属する米シカゴ・カブスの応援にも行き、鈴木選手の前でペッパーミルパフォーマンスをしたいと伝えた。

「ヌートバー仕様ペッパーミル」制作ファンの願いは

「ヌートバー選手が来日され、ペッパーミルパフォーマンスをしているのを見て、これは日本国民が元気をもらえるパフォーマンスだと思い、アマゾンで購入しました」

こう伝えたのは、今大会でヌートバー選手の魅力に取りつかれたという野球ファンのDさん。購入した3000円のペッパーミルをやすりで磨き、白く塗り、さらに黒のストライプを施した。ミルの頭はヘルメットに見立てて、侍ジャパンのロゴマークやヌートバー選手の背番号「23」もプリントして貼りつけ。こうして、「ヌートバー仕様」のペッパーミルを完成させた。「出来栄えは最高だった」と話すDさん。オリジナルのペッパーミルはメディアなどにも取り上げられた。

「とにかく作った理由は、ヌートバー選手に来てくれてありがとう、という気持ちです」とするDさんの願いは、このペッパーミルをヌートバー選手に直接届けることだ。今後はヌートバー選手が所属するカージナルスバージョンのペッパーミルも制作したいとする。

「球団(カージナルス)にも、ダメもとで送ろうかと思っています。ヌートバー選手がまた3年後(26年大会)に侍ジャパンに戻ってきてほしい、プレゼントしたい気持ちでいっぱいなので。一過性のものかもしれませんが、この選手に出会えたこと、ペッパーミルパフォーマンスは間違いなく流行したこと、その記念としてペッパーミルを渡せたらと考えています」