軽ならではの魅力を放つ、飽きないおしゃれな車たち

限られた寸法のなかで、魅力的な商品に仕立てなければならない軽自動車のデザイン設計は、普通車以上に難しいといえるでしょう。そのうえで激戦区の軽自動車市場では、他の車と差別化するための個性も必要です。

難しいからこそ、軽自動車は凝ったデザインにされることが多く、おしゃれな車やかっこいい車も数多くあります。またレトロ感溢れる懐かしいデザインの車や、こだわり過ぎて個性的になりすぎた車もあります。

現在新車・中古車として購入できる軽自動車のなかから「レトロな車」「かっこいい車」「外車風の車」「個性的な車」の4ジャンルに分け、それぞれの代表車種3台ずつをピックアップしました。

レトロでおしゃれな軽自動車3選

■ダイハツ ミラトコット

2018年6月に登場したミラトコットは、昭和時代の車を思わせる直線基調のレトロデザインが特徴です。四角いボディと丸い内部造形のヘッドライトは、女性的とも男性的ともいえない独特な雰囲気を放っており、その外観は1972年から製造されたイタリアの小型車フィアット 126にも似ています。

エンジンはベースとなるミライースよりもわずかにパワーアップされ、サスペンションもロングドライブ向けの調整が施されています。優れたデザインに加え、1台で短距離も長距離も走行できるミラとコットは、ミニマルなライフスタイルやファッションに惹かれる方に最適な1台といえるでしょう。

■スズキ アルトラパンLC

女性チームが中心となって企画された3代目アルトラパンは、丸みを強調したデザインに改められながらも「可愛くとも、子供っぽく見せない」ように注意が払われました。内装の前席はカフェの窓際席のような居心地のよい空間に仕上げられています。

2022年6月には、かつてスズキが販売していたLC10型フロンテをオマージュしたラパンLCが追加。クラシカルな外観に加え、車内も素材や色使いによって1960年代の雰囲気が引き出されています。フィアット850にも似た標準ラパンは大人の女性向け、ラパンLCは男女問わずクラシックカーに憧れる方におすすめの軽自動車です。

■ダイハツ ムーヴキャンバス

ダイハツ タントよりも全高を抑えたボディにスライドドアを備えたパッケージングがムーヴキャンバスの特徴です。シンプルな各部のボディ造形と胴長に見える外観により、ワーゲンバスことフォルクスワーゲン タイプIIを彷彿とさせるレトロな外観にまとめられています。

2022年に登場した2代目ムーヴキャンバスは、初代から外観ほとんどを変えることなく安全性能や燃費性能を向上。内装もより洗練され、要望が多かったターボエンジンも追加されました。ムーヴキャンバスは室内空間よりデザインを優先したい方におすすめのハイトワゴンです。

おしゃれでかっこいい軽自動車3選

■ホンダ N-ONE

N-ONEは丸目ヘッドライトのかわいい外観とは裏腹に、スポーツカーのような雰囲気を放つ軽ハッチバックセダン。ターボエンジン+MTのスポーツグレードが用意されるうえ、しっかりとチューニングされたボディと足回りによる走行性能や乗り心地の高さも特徴です。

2020年にモデルチェンジされた現行2代目は、初代の外観はそのままに全体をブラッシュアップ。質感が高められた内装は、よりスポーティな雰囲気が強調されています。スポーティでかっこいいプレミアム軽ハッチバックセダンに乗りたい方はN-ONEがおすすめです。

■スズキ ジムニー

スズキが誇る本格軽オフロードSUVがジムニーです。4代目となるJB64型の外観は、角ばったデザインでオフロードカーの無骨感を表現しつつ、ファッショナブルにまとめられており、都市に似合うに授与されるワールドアーバンカーオブザイヤー2019を日本車として初めて受賞しました。

おしゃれになってもジムニーとしてのあり方は変わっておらず、直線基調の内外装デザインも、大きめにつくられたスイッチ類もすべてオフロード走行のためのものです。機能美こそがジムニーのかっこよさの本質といえるでしょう。アウトドアシーンで使えるかっこいい軽SUVをお探しならジムニー一択です。

■ホンダ S660

S660は本田技術研究所設立50周年を記念して製作された、2シーターオープンミッドシップスポーツカーです。エンジンを運転席後方に搭載したことによる低いボンネットとルーフライン、高い運動性能が特徴であり、S660はかつてホンダが販売していたビートの再来といえるでしょう。

ボディ各部のディテールはNC型NSXを思わせる造形でまとめられ、内装デザインもスポーツカーそのもの。天井はソフトトップであるため、女性でもルーフの着脱は簡単に行えます。ただしS660は2022年3月をもって生産終了しているため、現在は中古でしか購入できません。

外車風でおしゃれな軽自動車3選

■ダイハツ コペン セロ

ダイハツ コペン 20th Anniversary Edition
ダイハツ コペン 20th Anniversary Edition

コペンは電動ハードトップを採用する豪華な軽オープンスポーツカーです。2014年から販売されている2代目コペンは、ローブ・エクスプレイ・セロのに加え、足回りやインテリアがスポーティにアレンジされたGRスポーツの全4種が販売されており、それぞれ外観は交換可能なユニークな仕掛けが採用されています。

そのなかでも、初代コペンのイメージを踏襲する丸目ヘッドライトと曲面のボディが特徴のセロは見るからに欧州車風のデザイン。シートカラーとインパネカラーが選べる特別感ある内装も外車を思わせます。手頃な価格で乗れる外車風の軽自動車といえば、コペンが真っ先に挙げられる車です。

■スズキ ワゴンRスティングレー

ワゴンRスティングレーは、3代目ワゴンRから追加された「クールフェイス」がコンセプトのカスタムモデル。現行型となる6代目ワゴンRスティングレーはシックなブラック内装と、1世代前のキャデラックを思わせる縦長のヘッドライトが特徴です。

ハイトワゴンは、メーカーの販売主力となるため保守的なデザインになりがちですが、ワゴンRスティングレーの特徴的なフロントフェイスは、そういったものを無視した大胆な造形が魅力。フロントフェイスに外車風の癖があるハイトワゴンをお求めの方には、ワゴンRスティングレーをおすすめします。

■ケーターハム セブン170

ケーターハム スーパーセブンは、イギリスのケーターハム社が製造するクラシックスタイルの2シーターオープンスポーツカー。2021年9月発売のセブン170は、ジムニーやアルトワークスに搭載されるR06型ターボエンジンを搭載し、ボディ寸法を軽自動車規格に収めた車です。

先代にあたるセブン160と同じく「外車風」ではなく、れっきとした輸入軽自動車であるため、日本の軽自動車64馬力自主規制に縛らません。わずか440kgの車重に最高出力85PSのエンジンが搭載され、0-100km/h加速タイムは6.9秒。おしゃれでかっこいい軽スポーツカーには間違いありませんが、運転席・助手席ともに狭く実用性は皆無です。

個性的でおしゃれな軽自動車3選

■三菱 ekクロス/ekクロスEV

ekクロスは、日産と共同開発された三菱 ekワゴンがベースのクロスオーバーSUV。デリカD:5やアウトランダーなどにも採用される「X」をモチーフとしたダイナミックシールドデザインは、ひと目で三菱車だと分かるekクロスの個性です。

機能性とスタイリングを両立させたブラック基調の内装と、車全体の質感の高さもekクロスの特徴。上質な乗り味のアイコニックな軽クロスオーバーSUVをお探しならekクロスがおすすめです。日産サクラと共通構造をもつekクロスEVも基本デザインはekクロスと同じです。

■ホンダ N-WGN

スタイリッシュなハイトワゴンだったN-WGNは、2019年のフルモデルチェンジで大きく様変わりしました。ヘッドライトのデザインが標準モデルは丸目、カスタムモデルは角目に変更され、太い眉毛に見えるウインカーと相まって強烈な印象を残す個性的な顔に変貌。このデザインには賛否が分かれるようです。

しかし、静音性や走行安定性、衝突安全性は軽自動車トップクラスの完成度を誇り、居住性や荷室の使い勝手もハイトワゴンとしては十分。実用性一辺倒の内装デザインにより、N-BOXやN-ONEのような特別感は薄いものの、特徴的なフロントフェイスさえ気に入れば非常に使いやすい実用車として重宝するでしょう。

■スズキ ワゴンRスマイル

ワゴンRはスマイルは、ダイハツ ムーヴキャンバスと同じスライドドア付きロールーフワゴンです。希少なパッケージングもさることながら、ワゴンRスマイルの特徴はそのフロントフェイス。角を落とした四角いボディに、水中メガネのような楕円形の大きなヘッドライトは、可愛いという人がいる反面、気持ち悪いという人もいます。

それ以外の箇所は文句の付け所がない完成度であり、日常的な使い勝手の高さはもちろん、内装の高い質感と優れたデザインもスマイルの特筆点です。ムーヴキャンバスと直接競合しますが、フロントフェイスの好みが決め手となるでしょう。

EV時代には「先進性とおしゃれの融合」に期待

日産が2015年に発表したコンセプトカーTEATRO for DAYZ
TEATRO for DAYZのインテリア

車のデザインは、車が持つ機能やキャラクターも大きく影響します。居住性や安全性、ドライブトレイン配置などを加味してデザインを決定する必要があるため、ボディサイズが小さな軽自動車はそれだけ制約も大きくなります。

ドライブトレイン配置の自由度が高まる 電気自動車(EV)は、軽自動車のデザインを一変させる可能性を秘めており、これまで実現できなかったアイデアも反映できるようになります。

とはいえ、あまりに飛躍し過ぎたデザインはユーザーに受け入れられない恐れがあるため、全体の変化は非常にゆっくりとしたものとなるでしょう。 しかし、今後はEVの特性を活かした先進的な軽自動車が登場するのは確実です。EV時代の一歩進んだおしゃれ軽自動車の登場に期待しましょう。