<パナソニックオープン 最終日◇25日◇小野東洋ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7113ヤード・パー72>
3日目に「61」をマークするなど、アグレッシブなゴルフが持ち味の蝉川泰果(東北福祉大4年)がツアー史上6人目のアマチュア優勝を遂げた。日本ゴルフ協会(JGA)のプロフィールを見ると、ゴルフを始めた年齢は1歳となっており、自身でも「物心ついたときからプロを目指していました。小さい頃から練習熱心だったそうです」とゴルフをするために生まれてきたような選手だ。
名前の読み方は「せみかわ・たいが」。タイガー・ウッズ(米国)が2000年の「全米オープン」から01年の「マスターズ」まで4大メジャーを連続で制して「タイガースラム」と呼ばれたが、まさにその時期の2001年1月11日に生まれた。父の佳明さんいわく、「海外で通じる名前にしたかった。最初はジョージにしようと思っていた」というが、結局はスーパースターの名に由来することになった。
泰果本人は「保育園の頃に普通のジュニア用クラブを振っていたのは覚えています」という。どんな幼少期を過ごしてきたのだろうか。佳明さんに聞いてみた。
佳明さんはゴルフ競技に出場し、ハンディキャップ5までいったこともある腕前。泰果が1歳の頃、佳明さんが玩具量販店「トイザらス」に買い物に行くと「いちびって(調子に乗って)買い物かごにおもちゃのクラブを入れた」ことがきっかけだ。
「プラスチックのクラブを杖替わりに立ったり、最初はそのクラブで壁をバンバン叩いていた」が、プラスチックのボールを打つことを教えると「何が楽しいのか、部屋の中を行ったりきたり、ボールを転がしていました」とすぐにゴルフに興味を持ったという。
次第にボールは転がるだけでなく、空中に浮くようになる。横になっている佳明さんのほほにボールが当たったこともしばしば。当時競技にも出場していた佳明さんは「うまいこと打つな」と感心し、2歳頃には練習場に連れて行くようになった。
プラスチックのクラブを振り回せば、当然破損する。そうすると泰果は大泣き。すぐに新しいセットを買い行き、同じものを6〜7セット購入したこともあるという。街に遊びに行くときはお気に入りのライダーベルトを腰に巻き、その手には必ずプラスチックのクラブが握られていた。
小学3年生の頃にゴルフの大会に初めて出場し、全国大会にまで進んだ。そこから本格的にゴルフにハマり、以来はゴルフ一筋だ。大学に進学するまでは、ゴルフ場やコースに行くのも常に佳明さんが一緒。まさに親子二人三脚で礎を築いた。(文・小高拓)

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