アミメニシキヘビ(Wikimedia Commonsから、Marilunaさん撮影)

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体長約3.5メートルもあるペットのアミメニシキヘビが横浜市戸塚区内の飼い主の家から脱走したと報じられ、周辺住民に不安が広がっている。

このヘビについて、日本蛇族学術研究所が運営するジャパン・スネークセンター(群馬県太田市)がツイッターで注意を呼びかけており、注目を集めている。

「攻撃が速いので近づかない」「小さな子供を外で1人にしない」

東京動物園協会が運営する東京ズーネットのサイト「どうぶつ図鑑」によると、アミメニシキヘビは、網の目のような模様があることからこう呼ばれる。

東南アジアの森林や水辺に生息し、世界最大級のヘビとして約10メートルの記録もあるという。ニワトリやウサギなどがエサで、人がケガをする事故も報告されている。

各メディアの報道によれば、こんなヘビが2021年5月6日夜、20代会社員男性が飼っているマンション2階の部屋から逃げ出した。ヘビは、ガラス製のケースに入れられていたが、男性が仕事から帰宅するとすでにおらず、窓が少し開いていたため、ここから逃げたとみられている。

黄色いヘビで、重さは13キロほどあるという。男性からの通報を受け、神奈川県警では、警察犬も出動させて、男性宅裏の雑木林などでヘビの捕獲を急いでいる。

周辺住民からは不安の声が出ているといい、ツイッター上などでも、人への危害を心配する書き込みが相次いでいる。

こんな状況を受け、ジャパン・スネークセンターは7日、ヘビの専門家からの注意喚起をツイッターに投稿した。

それによると、アミメニシキヘビに巻かれたり、咬まれたりして大ケガをする恐れがあり、攻撃が速いので近づかないことが大切だとした。また、犬や猫などのペットのほか、幼児もターゲットになる可能性があり、小さな子供を外で1人にしないよう呼びかけている。

「冷え込むと動きが鈍くなるが、しばらくは生きていける可能性」

アミメニシキヘビは、動物愛護法で特定動物に指定されており、飼い主の男性は、2017年に横浜市動物愛護センターに対し、飼う施設を申請して許可を受けた。

20年6月には、愛玩目的で新たに飼育することは禁止された。現在飼っている個体については、繁殖は認められないものの、死ぬまでは飼育してもいいとされる。その場合、許可の有効期限5年が来たら、改めて申請することになる。

市動物愛護センターの担当者は5月7日、J-CASTニュースの取材に対し、逃走したアミメニシキヘビについて、こんな見方をした。

「このヘビは、28度ぐらいの暑さを好んでおり、朝夕に冷え込むと動きが鈍くなるでしょう。ネズミなどの小動物のほか、昆虫もエサにしているので、日本でも、しばらくは生きていける可能性があります。行動範囲は広くないとされてはいますが、戸塚区の近隣でも出没する可能性はゼロではないと思います。夜行性で、昼間は茂みに隠れていますので、注意が必要です」

センターでは、職員らが男性宅に行っており、どのような状態でヘビを管理していたか確認中だとしている。

アミメニシキヘビによる人への危害としては、2012年4月に茨城県牛久市内のペットショップ飼育場で、経営者の父親(当時66歳)が体長約6.5メートルのヘビに首を絞められたり頭や腕を咬まれたりして死亡したケースが報じられている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)