規模が小さいながら卓越したパフォーマンスを残している「世界小型株厳選ファンド」の特徴や運用実態について、設定・運用する三井住友DSアセットマネジメントの武田敦氏と、ファンドの実質的な運用を行っているスタンダード・ライフ・インベストメンツのグループ会社であるアバディーン・スタンダード・インベストメンツの宮崎浩司氏に聞いた。(グラフは、「世界小型株厳選ファンド」の2020年のパフォーマンス)(情報提供:モーニングスター社)

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 過去1年間を振り返ると、「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」や「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド(愛称:THE 5G)」などが1000億円以上の流入超過となり、為替ヘッジなしの大型テクノロジー関連ファンドへの注目度が高い。ただ、個別ファンドでみると、8月末基準の3カ月トータルリターンでは「世界小型株厳選ファンド」が16.36%と、「netWIN」の20.84%には及ばないものの、「THE 5G」の15.11%を上回っている。規模が小さいながら卓越したパフォーマンスを残している「世界小型株厳選ファンド」の特徴や運用実態について、設定・運用する三井住友DSアセットマネジメントの武田敦氏と、ファンドの実質的な運用を行っているスタンダード・ライフ・インベストメンツのグループ会社であるアバディーン・スタンダード・インベストメンツの宮崎浩司氏に聞いた。

 ――「世界小型株厳選ファンド」は、2019年2月設定で、ファンドの規模は小さいものの今年8月末時点で過去1年間のトータルリターンが23.80%と国際株式を投資対象としたファンドの中で上位の成績を残しています。GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)に代表される大型ハイテク株に人気が集中していますが、それらに投資しない小型株ファンドに注目する理由は?

武田 当ファンドは世界の小型株式の中から成長力の高い銘柄を厳選して投資するファンドです。コロナショックを前後してGAFAに代表される大型ハイテク企業の株高がけん引して米国株式が史上最高値を更新しました。コロナショックで下落した後の回復局面においても、依然としてGAFAなどが市場の主役といえる存在です。

 しかし、過去を振り返ると大型株式と小型株式は、好不調の波を交互に繰り返してきました。当ファンドの運用戦略は2012年1月から実績がありますが、大型株の影響が強いNASDAQ総合指数のパフォーマンスを比較すると、2014年までは当ファンドの主要投資対象である小型株優位の状態が続きましたが、2014年から2016年はNASDAQ総合が優位、2016年から2018年は小型株優位となり、2018年以降はNASDAQ総合が小型株をアウトパフォームしています。2−3年ごとに主役が交代してきました。

 この結果、2017年初頭には世界大型株指数(MACI ACWI Index)と世界小型株指数(MSCI ACWI Small Cap Index)の相対PERは1.0程度でしたが、大型株式の株価が値上がりする中で相対PERがどんどん低下し、今年になって0.7に近づいています。それだけ小型株の割安感が強まってきているのが現在です。大型ハイテク株の人気は、簡単には衰えないかもしれませんが、いわゆる「高値波乱」で短期間に大きく値動きするリスクも高まっています。これからの投資には、小型株への投資もご検討いただきたいと考えます。
 

 ――当ファンドの特徴は?

宮崎 世界に、中小型株式のユニバースは約6000銘柄ありますが、その中でボトムアップによって成長企業を厳選し、50銘柄程度でポートフォリオを作ります。銘柄選定の着眼点を一言でいえば、特定の分野で高い競争力を維持する「グローバル・ニッチ・トップを選ぶ」ということです。銘柄選定の条件は経営の高いクオリティ、成長の継続性の高さなどですが、様々な分野の実力者を選ぶことで、大手企業には参入し難い強みがあり、成長の継続性につながると考えています。

 ここ数年は、大型株優位の展開が続いていたにもかかわらず、当戦略が優れたパフォーマンスを残せたのは、企業の実力を見極めた投資に徹してきたからだと思います。これらの企業の株価は、今年上半期のコロナショックで市場が大きく下落する中でも踏みとどまった企業が多かったように、ビジネスのモデルがしっかりしているため、不況でも業績が安定しているという特徴があります。