イソジン会見が物議(時事通信フォト)

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 日本中の薬局からうがい薬が消えるきっかけとなった、吉村洋文・大阪府知事の「イソジン会見」(8月4日)から3週間が過ぎた。

「(イソジンなど)ポビドンヨードを含んだうがい薬で新型コロナの陽性者が減っていく」と自信を持って語る吉村知事の傍らにいた、会見の“もうひとりの主役”にいま、ある疑念が湧いている。

「今回の研究を行なった松山晃文・大阪はびきの医療センター次世代創薬創生センター長のことです。この研究は5月末に企画され、6〜7月にかけて行なわれたと発表されていますが、松山氏は7月末まで藤田医科大学に医学部教授として籍を置いていた。

 はびきの医療センターでの研究は大学に無断で行なっていたらしく、兼業を禁止している大学の職務規程に違反しているのでは、と言われているのです」(事情を知る医療関係者)

 会見で注目を集めた松山氏は、その後もテレビ出演を続け、イソジンの効能について「感染拡大を防ぐ効果は示しておらず、あくまで飛沫感染の抑制を期待している」と繰り返し説明していたが、「そもそも、外部であのような研究をしていた事実に、藤田医科大学の関係者はひっくり返っていた」(前出・医療関係者)という。

 藤田医科大学に聞いたところ、「研究の報告は受けておらず、職務規程違反の可能性がある」(広報部)との回答だった。

 一方、大阪はびきの医療センターは、「(独立行政法人としての)公的な職務のため大学の了承は不要」(事務局)と答えた。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が語る。

「大学が教授の兼業を禁じる理由は、研究技術の流出や本業での秩序の乱れを防ぐためです。とくに医療研究の場合、専門性の高い大学の施設、設備を用い、莫大な費用をかけて初めて新たな知見が得られるわけです。これが兼業によって学外に流出してしまえば、大学は大きな損失を被る。松山氏は大学の了承を得るべきだったと思います」

 イソジン騒動は、一体どこに着地するのか。

※週刊ポスト2020年9月4日号