禁酒法の時代に、こっそりひそかに経営していたBAR『SPEAKEASY』。2020年の東京の街にも、そんなひそかなバーが、まだあった。月曜から木曜の深夜1時にOPENするラジオの中のBAR『TOKYO SPEAKEASY』。 各界の大物ゲストが訪れ、ここでしか話せないトークを展開するとか、しないとか……。

ここには、とんでもない俳優・女優・アーティスト・政治家、または起業家・メディアプロデューサーなどのスゴい方たちが訪れ、「ここでしか語れない」さまざまな話を繰り広げます。4月7日(火)のお客様は、小説家・エッセイストの林真理子さんと幻冬舎社長の見城徹さんです。


(左から)林真理子さん、見城徹さん


◆「林真理子とどっぷり仕事しよう」
見城:俺は面白かったよ、君に最初に会ったとき。俺は、君に対して遅れてきた青年だったんだよ。みんながわーっと言っているときに、俺は1ヵ月遅れて行ったわけだから。だけどそのわりにはパッと馬が合って。

林:なんかすごく気が合いましたよね。

見城:うん。話しているうち「あーこいつ気が合うな」と思って、「才能もあるな」と思って。それで、“この人とどっぷりと仕事しよう”と思ったのね。それは商売になるかどうか分かんないけど、編集者の俺の勘ですよ。“こいつは商売になる!”と思ったんです。ならなかったら、ならなかったで“いいや”と思って。

林:ええ。

見城:それで、そのときに俺が「3つの約束をしよう」って言ったよね。1つは、君は直木賞をとれるから「小説を書け」。それから、「絶え間なく俺の雑誌にエッセイの連載をしよう」て言ったんですよ。それからもう1個は、「惚れないでね」って(笑)。

林:だから、私がムカついて、「私、“面食い”だからそういうことはないですよ」って。

見城:そう、言われた。

林:「そういうことはないと思いますよ」と。

見城:ただ、俺が言ったその返しのセリフも覚えてるよ。

林:何?

見城:「みんなそう言うんだけど、みんな俺に惚れるんだよね」って言った。

林:そうそう、そう言った! 私びっくりしましたよ、本当。

◆最初の小説で直木賞候補に!?
見城:とにかく爆発的に君は売れたんだよ。絶え間なく、俺の雑誌「野性時代」と「月刊カドカワ」に連載していたし。

林:そう!

見城:そうでしょ? それから初めての小説。「星影のステラ」の話を君から聞いたときに、すっごく面白かったの。あれ、ほとんど実話でしょ?。

林:ほとんど“実話”。でも覚えているのは、ひと夏一緒に住んでいた、私がすごく憧れていた女の子がいて。私の持っていないセンスだとか、都会的なもの持っていて、その子が(家を)出ていったときにベッドを……。

見城:いや、まず、その女の子が現れたときに、「私のことをステラって呼んで」って言ったんだよね。

林:そうそう。(女の子が)「いつもライブハウスに行くと、ジャズメン達が私のために『ステラ・バイ・スターライト(星影のステラ)』を最後に弾いてくれるの」

見城:「『星影のステラ』を演奏してくれるの」って言うんだろ?

林:「私はステラって呼ばれてるの」って。私、山梨の女の子ですから、そういう話にものすごい弱いの。

見城:だからすごく都会的なセンスの良い女に弱かったんだよね。それで、一緒になんか居候をされたんだよね、その2人。

林:そう。「男と別れたから住まさせといてくれ」って。それで、私の参宮橋の6畳一間に転がり込んできたの。

見城:それでいろいろあって、結局彼女は、ある日突然、霧が晴れるように消えていくんだよね。

林:いやいや。お金を入れてくれなくてね、最後は「私の冷蔵庫のものを全部食べた」とかそういう些細なことで喧嘩になって(笑)。

見城:そのときに、君がなんとなく寂しく1人で出て行った部屋を掃除してたら、ラジオから「星影のステラ」が流れていたらしく……ここが小説的で良いんだけどさ、ふと掃除機を止めたら、「ただいまのは『星影のステラ』でした」ってラジオが言ったんだよね。そこを俺は「面白い! 小説に書け!!」って言って、それを君が小説に書いて、僕の編集している雑誌に載せて、それが(林真理子の)小説第一作目で、それがいきなり直木賞の候補になった。

林:そうなんですよ。見城さんよく覚えてるよね!

見城:覚えてるよ。だって、すっごい素敵な小説だもん! あんな“新感覚”な小説なかったもん、あの頃。

林:見城さんは、編集者としていろいろ忙しくて、(当時のことを)覚えていないだろうと思ったけど、ちゃんと覚えているって、やっぱり作家としてはすごく嬉しいですよね。

見城:あれはだって、作品として新鮮で素晴らしくて、しかも謎めいていて人間の本質もちゃんと書けている。

林:そのときにね、ちょっとベットに横になって(よく聞き取れませんでした)、「もしかしたら、彼女がいつもフィジー(の香り)を使っていたのはワキガのせいかな」って書いたの。そうしたら見城さんが、「すごくその子の体臭まで伝わってきて、この1行を描けている君は作家になれるよ!」って言われたのを覚えている。

見城:あーそうだよね。俺、そういうのは今もちゃんとやっているよ。そして、「星影のステラ」が直木賞の候補になって、その後勢いに乗って、勝ち負けまで(直木賞を獲る獲らない、というところまで)いったんですよ。“えーっ”と思うじゃん! それで俺が君と最初に会ったときに、「君は直木賞とれるから小説を書こう」っていうのがちょっと実現したわけだよ。

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<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00〜26:00
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/speakeasy/