自発的にウェイトトレーニングなどで体幹を強化。食事面も見直し、寮で提供されるおかずとお茶碗3杯のお米に加え、自ら用意したサラダと肉を追加で摂取した。その効果で体重は約5kgアップ。身体付きも春先とは比べものにならいないほど、分厚くなった。インターハイ前までは急激な肉体の変化に付いていけなかったが、秋以降は持てる力を発揮。スムーズに身体を動かす術を覚え、この選手権でも堂々たるプレーを見せている。

 地道に積み重ねられるのも、メンタルの強さがあるからこそ。その姿勢があれば、さらなる成長を予感させる。

 残すは静岡学園とのファイナルのみ。大一番で背番号7はどんなパフォーマンスを見せるのか。

「1年前に想像していたのは圧倒して勝つこと。自分が3点ぐらいとって、チームを勝たせたい。自分を主役で考えているんですよね」

 1年前、松木は決勝をスタンドから観戦し、来年は自分がこの舞台で活躍することを考えていた。自らが思い描いた試合にできるのか。怪物ルーキーの一挙手一投足に注目だ。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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