神戸市中央区にある指定暴力団「神戸山口組」の中核団体「山健組」の事務所付近で男性2人が撃たれ死亡した事件。警察は指定暴力団「山口組」の直系団体「弘道会」傘下組織の幹部・丸山俊夫容疑者(68)を殺人未遂の容疑で逮捕し、拳銃2丁を押収した。

 山口組をめぐっては、神戸山口組が4年前に分離、2年前にはその神戸山口組から一部の組員が分離し「任侠山口組」が結成され、"三つ巴"の状態が続いてきた。去年2月には神戸山口組系の男が任侠山口組系組員を殴打、翌日に任侠山口組系事務所に4tトラックが衝突。6月には山口組系組長宅に神戸山口組系組員が2tトラックで突入、今年4月には神戸山口組系組長が山口組系組員に刺され、そして8月には山口組系弘道会事務所前で男性が撃たれるといった事件も起きている。

 警察が24時間体制で警戒を続ける中で起きた事件。山口組に詳しい関係者の手元のスマートフォンには、LINEで次々と情報が入ってくる。「弘道会が山健組を狙った"報復"だと聞いている。やられたことに関してはやりかえすのが基本だし、高山若頭が出所する前に"けじめ"をつけるということ。それまでは報復合戦になる可能性があるので、超厳戒態勢だろう」。

 この「高山若頭」とは、山口組六代目の司忍組長と同じ「弘道会」出身で、2014年から府中刑務所に収監されているナンバー2の高山清司受刑者のことだ。その高山清司受刑者が、来週に出所するとみられており、最近では山口組に原点回帰しようとする組員も現れ始めていたという。

 暴力団の事情に詳しい作家の沖田臥竜氏は「高山若頭は全体にものすごく影響力がある人。帰ってきてから事件を起こせば迷惑をかけることになるので、それまでに何とかしとかなあかん、決着を付けるならこの時期だ、というのが山口組の中にあったと思う。また、神戸山口組としては、任侠山口組も出てきたし、組織を固めておきたいというのがあったと思う。やはり8月ぐらいからいろいろな情報が飛び交って皆が緊張していたし、こういう事件が起きやすい状況にあった」と話す。

 その上で「抗争については、建前としては個人同士の問題だし、必ずしも三つ巴の中で全部が揉めているわけではない。ヤクザとしての路線や生き方についても、それぞれの山口組に変わりはない。ただ、人事で司組長の出身母体を贔屓しすぎではないかという点や、お金の吸い上げが厳しいのではないかといった点で分かれていった。一方、長引く中で、"六代目が本流や"という流れも来ていた。そもそも山口組が割れるということ自体が考えられない出来事だったので、ヤクザ界のルールもイレギュラー的になっていて、今だけは組員が山口組に戻れるというケースもある。組織は人と一緒で"生き物"なので、今後どうなるかの予測はすごく難しいが、ヤクザには筋や盃があるし、やはり本家は六代目。全体の人数は減りながらも、六代目が残っていくのではないか。ただ、神戸山口組傘下の山健組は関西の中でも大きくて強い組織なので、ここは崩すのは難しい。高山若頭の出所は分岐点にはなると思うし、もちろん一つになるというテーマは残ると思うが、当局も厳しくなっている中、暴力を行使して他の組を潰すのは難しいと思う。いろいろな面で時間が必要だと思う」と語った。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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