@AUTOCAR

写真拡大 (全5枚)

もくじ

ー MX-5の狙い目モデル
ー 価格はコンディション次第
ー マツダMX-5(NB)の中古車 購入時の注意点
ー 専門家の意見を聞いてみる
ー 知っておくべきこと
ー いくら払うべき?
ー 掘り出し物を発見

MX-5の狙い目モデル

価格上昇に伴い、NAと呼ばれた初代のコンディション良好な個体を手に入れるのが難しくなっているのであれば、替わりにNBと呼ばれる2代目はいかがだろう?

確かに、そのルックスはNAには及ばず、さらにはNAよりも錆の心配をする必要があるものの、ワイヤーブラシと防錆剤がその効果を発揮している限り、時間の経過とともにNBに対する評価も高まって来ている。

もし、フォルクスワーゲンがゴルフのモデルチェンジをやっかいな仕事だと思うなら、真面目なマツダにとって、初代MX-5の成功を受けたこのクルマのモデルチェンジは、さらに大変な任務だったに違いない。

さらに、単なるNAの焼き直しというわけにはいかなかったとしても、米国安全基準によって初代のポップアップ式ヘッドライトが採用できなかったことは痛手であり、まさに、ブリティッシュ・レイランドがMGBのトラディショナルなクロームのバンパーを、醜いラバー製に変更させられたのと同じ状況だった。


それでも、初代を輝かせていたのと同じ甘美なリア駆動のハンドリング、繊細なステアリングと節度感溢れるギアシフト、さらにはガラス製に変更されたヒーター付きリアウインドウを持つこのクルマを除いて、1998年当時、他に選ぶべきクルマなどあっただろうか?

21年が経過しても、こうした特徴はNBのユーズドモデルを魅力的な存在にしており、なにより、MOT付きですぐに走行可能な車両が、英国ではわずか350ポンド(5万円)で手に入るのだ。

もっとも状態の良い車両でも3500ポンド(51万円)以下で手に入れることが可能であり、こうした状況は、最低でも2250ポンド(33万円)を支払う必要のある3代目NCと、コンディション良好なNAに対する需要の高さが作り出したものでもある。

コンディションの良いNAかNCを手に入れようと思えば、その価格は容易に6000ポンド(87万円)ほどにも達するのだ。

価格はコンディション次第

NBの価格を決めているのは、年式やグレード、エンジン排気量などではなく、なによりもそのコンディションであり、2004年モデルの1.8iスポーツが数ポンドで見つかる一方、状態の良い1998年登録の1.6には数千ポンドの値札が付いている。

エンジンには1.6ℓと1.8ℓのふたつが存在しており、142psを発揮する1.8スポーツであれば、トルセン式リミテッドスリップディフェレンシャルと15インチのアルミホイールを装備していた。

2001年に登場したフェースリフト版は2.5代目として知られている。その変更点はわずかであり、もっとも大きな違いはスリーバルブ化されたヘッドライトだったが、グレードによって、フロントバンパーには1対のフォグランプか、さもなければメッシュグリルが採用されていた。


オートマティック仕様も英国市場に追加投入されているが、人気を得ることはなく、現在では希少な存在となっている。1.8iには、より大径化された16インチホイールが与えられている。

MX-5らしく特別仕様も複数登場しており、今回見つけたなかで気になったのは、1795ポンド(26万円)のプライスタグを掲げ、走行距離12万kmでタイミングベルト交換済み、メンテナンス履歴のハッキリした2001年登録のジャスパー・コンラン1.8と、2190ポンド(32万円)で走行距離12万7000km、2003年下期登録の、映画「チャーリーズエンジェルス」にインスパイアされた1.8エンジェルスの2台だった。

それでも、グレードや特別仕様は大した意味を持たない。もっとも重要なのはコンディションであり、サイドシル廻りやカーペット下に拡がる錆をチェックする前に、グレードで一喜一憂している場合ではないのだ。それでも、このクルマを運転してみれば驚かされるに違いない。

マツダMX-5(NB)の中古車 購入時の注意点

エンジン

9万6000kmでタイミングベルトの交換が必要であり、運が良ければ、同時にウォーターポンプも交換されている場合がある。

重大な問題とはならないが、カムカバーからのオイル漏れと、ふたつある点火コイルが原因のミスファイアの有無は確認しておいた方がいいだろう。プラグコードには定期的に不具合が発生する。

ギアボックス

高回転まで回した時に、盛大な異音がするようであれば、クラッチ交換などの際にトランスミッションが正しく取り付けられていないことが原因だが、トランスミッション脱着の際にアライメントが必要となることを知っている修理工場は少ない。

後期モデルではゴム製ダンパーが採用されており、6速ギアボックスのシフトスピードは、5速マニュアルに劣る。プロペラシャフトジョイントの異常に関しては、バックにシフトして音を確認してみる必要がある。

サスペンション・ステアリング・ブレーキ

タイヤの偏摩耗はアライメントの狂いが原因の可能性があり、各輪で個別の調整が必要となる。サスペンションブッシュは見た目が劣化していても、問題となることはほとんどない。ブレーキキャリパーピストンの固着と、減速帯によるスプリングへのダメージをチェックする必要がある。

ボディ

初代よりも2代目のほうが錆びの問題が大きい。リアフェンダーの錆は容易にチェックできるが、内部から錆が進行するサイドシルは慎重な確認作業が必要となる。さらに、フロントシャシーレールにはより錆が発生しやすい。

NAとは違い、衝突安全性を高めるべく2重ボックス構造が採用されたことで、湿気が内部に留まりやすく腐食の原因となる。

ボディ表面の錆はパネル裏側やリアのサブフレーム、サスペンションアームにまで達する可能性がある。ボンネットにも飛び石が原因の錆がないか確認しよう。

インテリア

シートのヘタリとアームレストへのダメージは要チェックだ。

専門家の意見を聞いてみる

アシュリー・マーティン(MX-5レストア専門家)

「ボディ内部の錆は初代と2代目に共通した問題であり、2代目MX-5が内側から錆びることは分かっています。ですから、徹底的なリペア作業が必要となるのです。初代の1.8ℓモデルと2代目を所有していますが、どちらも素晴らしいモデルです」

「3代目は数えるほどしか運転したことがありませんが、初代と2代目は特別なモデルであり、この2台はドライバーを喜ばせるためだけに存在するのです。多くのファンがいますが、いまでも、初代の人気は絶大です。2代目MX-5の問題は、錆があるかどうかではなく、いつ錆びるかということです。それでも、このモデルはお買い得だと言えます」

知っておくべきこと

2代目MX-5を手に入れた場合、最初に行うべきは、洗車をしてボディ下面に防錆剤を塗布しておくことだ。そうすれば、サブフレームのような部分が使い物にならなくなるのを防ぐことができる。その後で、インターネットで湿気の侵入経路を調べ、内部からの錆の進行を抑えるべく空洞を埋めればいい。

いくら払うべき?

350〜1249ポンド(5万〜18万円)

1150ポンド(16万7000円)で売りに出されている、ボロボロでサイドシルの錆が進行した2003年登録の1.6ℓモデルのように、年式や走行距離に関係なく、ともかく走行可能な車両が候補となる。

1250〜1999ポンド(18万1000〜29万円)

ほぼ完ぺきなメンテナンス履歴を持つ見た目も素晴らしい車両を見つけ出すことが出来るが、サイドシルやフェンダーと言った部分の充填剤の状態は確認が必要だ。

2000〜3500ポンド(29万1000〜51万円)

2299ポンド(33万4000円)のプライスタグを掲げ、走行距離9万7000kmでマツダディーラーによる完ぺきなメンテナンス履歴を持つ、2002年下期登録の1.6ℓモデルのような個体を見つけ出すことができる。さらに、3000ポンド(43万6000円)で走行距離3万5000km、マツダディーラーによるすべてのメンテナンス履歴が揃ったワンオーナーの1998年登録1.8スポーツのような車両も存在する。

掘り出し物を発見

マツダMX-5 1.8スポーツ、1999年登録、走行距離10万3000km、1999ポンド(29万円)


「完ぺきなメンテナンス履歴」と喜ぶ前に、その内容が11項目しかないことに気付くべきだが、心配はいらない。最大の懸念はボディの錆だが、この個体は初期型NBであり、より優れた防錆が施されているはずだ。幸運を祈ろう。