23区バトル:犯罪発生率から見る本当に危険な区/安全な区とは?
23区に関する様々なデータはネット上で公開されており、それらを紐解くと中には我々が驚く意外なデータ結果も見られるのだ。
今回は、犯罪発生率から安全な街、危険な街を考えてみよう。
第一回:23区バトル:都内で一番女性比率が高い区と男性比率が高い区はどこだ!

貴方の暮らす区は果たして安全なのだろうか?
日本といえば、世界の中でも安全な国として有名だ。
それでも、人口が密集している23区内は、日本の中で比較すれば犯罪発生件数が多い。
では、はたしてどの区が一番デンジャラスな区なのだろうか?逆にどの区が最もセーフティな区なのか?
23区に住んでいる人も通勤している人も、これから住もうと思っている人も知っておいて損はない情報だろう。

23区の刑法犯発生件数(2015年度)
グラフは2015年度12月末時点での件数。
これだけをみると、新宿区が一番デンジャラスな区とみてとれる。
しかし世田谷区が2位というと、少しイメージと違うように思える。
これは、当たり前だが区によって人口が違うからだ。人口が多ければ犯罪件数も多いのは必然。
重要なのは人口に対する犯罪件数の「比率」であろう。人口が少ないのに犯罪が多発していれば、そこが一番危険な地域なのだ。
ということで、この結果に人口を加味して、真に安全な区、危険な区を導いてみよう。

犯罪発生率(%)2015年度
上のグラフは、人口100人あたりの犯罪件数を%で算出したもの。
トップ3とワースト3をピックアップしてみよう。
【犯罪発生率が高いトップ3】
1位.千代田区(5.95%)
2位.渋谷区 (2.67%)
3位.新宿区 (2.38%)
【犯罪発生率が低いトップ3】
1位.大田区(0.79%)
2位.文京区(0.82%)
3位.品川区(0.85%)
ぶっちぎりで犯罪発生率が高い千代田区!?しかし真意は・・・
ご覧頂いたように、犯罪発生率トップ3の中でもぶっちぎりで危険な区が千代田区。
5.95%は2位の渋谷区、3位の新宿区と比べても倍近い値になっている。
「?」と思う読者の方も多いだろう。千代田区と言えば皇居や政治の中枢が密集しており、犯罪が多いとはとても思えない。
では、なぜこんなにも千代田区に犯罪発生件数が集中しているのか?
そこにはある理由があった!
実は千代田区は23区の中でも最も●●!

昼夜間人口比率(2010年度国勢調査より)
犯罪発生率は、発生件数を「夜間人口」で割った数字だから違和感があるのだ!
上のグラフは、5年ごとに行われる国勢調査の結果から導かれた、昼夜間人口比率だ。
昼夜間人口比率とは、夜間人口を100とした場合の昼間人口(※)の比率だ。
※昼間人口=常住人口+流入人口(他の地域から通勤してくる人口)-流出人口(他の地域へ通勤する人口)
こうしてみると、千代田区が群を抜いて昼間の人口が多いことがわかる。実に夜間の17.4倍もの人口がいる計算になる。
千代田区の昼間人口の推定値を出してみると、
常住人口58,576人×17.4倍 = 1,019,222人!
一般的に、「人口」は夜間の人口で語られるため、トータルの犯罪件数を夜間人口で割った犯罪発生率では、千代田区のような昼夜間の差が大きな区の数値が高くなってしまう。
これでは、都民の感覚と乖離した数値がでてしまう。
それでは本当に犯罪率が高い危険な区とは?
そこで、更なる正確な犯罪発生率を出す為に、
昼間人口+流出人口(昼出て行って夜帰ってくる人)も加えた数値で犯罪発生件数を割ってみよう。
この結果こそ、真に危険な街、安全な街がわかるのではないだろうか。

独自試算した犯罪発生率(%)
※犯罪発生件数÷(2010年度昼間人口+流出人口)×100 にて試算
上のグラフが、危険な区、安全な区を算出した最終的な独自ランキングになる。
【犯罪発生率が高い区トップ3】
1位.台東区 (1.26%)
2位.豊島区 (1.10%)
3位.江戸川区(1.03%)
3位.渋谷区 (1.03%)
【犯罪発生率が低い区トップ3】
1位.中央区 (0.41%)
2位.千代田区(0.42%)
2位.文京区 (0.42%)

犯罪発生率が高い区は、大きな繁華街が要因か
犯罪発生率が多い区をみると、台東区(上野・浅草)、豊島区(池袋)、渋谷区(渋谷・原宿)、新宿区(新宿・歌舞伎町)といったように、いずれも都内を代表する繁華街を擁している区が多いことがわかる。
1位.台東区
台東区が1位。上野・浅草の下町2大繁華街を擁する台東区。台東区と言えば、23区の中で最も男性比率が高い区でもある。
「火事と喧嘩は江戸の華」の気質なのか、あるいは警察がしっかりと検挙をしている証明なのか(上野警察には、凄腕の警察官が集うとの噂も…)。
いづれにせよ、今後インバウンドで外国人観光客が最も増える地域の一つであり、今後も安定した治安の維持が望まれるエリアだ。
2位.豊島区
やはり、大繁華街池袋を擁し、土地柄として若者や郊外から遊びに来ている人も多いため、トラブルの件数としては多くなっている実態のようである。
一方で、雑多な文化が街の魅力でもあるため、「安全で楽しいイメージの池袋」が作れれば、若干飽和状態にある城南地区に変わり、新たなトレンドスポットとなるポテンシャルも秘めていると言える。
3位.江戸川区
江戸川区は23区で最も住民の平均年齢が低い街。若さゆえのエネルギーか、下町気質なのか。
発展著しいこれからの東京の進化の一躍を担う重要なエリアであり、より一層の暮らしやすさが求められるだろう。
それでは、安全な区TOP3の考察をしてみよう!
逆に安全な区は、中央区、千代田区、文京区!イメージ通りの3区ではないだろうか?
1位.中央区
さすが、銀座、日本橋、八重洲、人形町を擁する中央区は堂々の一位である。
実際、区の施策の効果もあり、若者で中央区に移住する人も増えつつある。
歴史に積み重ねられた上質さを、ナチュラルに醸し出すこの区が1位であることに、違和感を感じる人はあまりいないはずだ。
2位.千代田区
皇居の存在する区ということで、こちらもほぼ1位と同率のレベルである。
一方で、神田や秋葉原といった繁華街も擁していながらのこの数値であり、警備・取締のレベルが高いことが伺える。
当時、路上喫煙禁止条例が千代田区を皮切りに始まったことからも、この区の治安に対する厳格さが伺えるのである。
3位.文京区
偏差値No.1区、東大を擁する文京区が3位。
学校や病院等の施設の多さに加え、住んでいる人も土着の上品な人たちが多く、そもそも犯罪を犯すきっかけが無いといった雰囲気。
ゆえに、逆にそこまで面白い繁華街が無いと言えば無いのだが、この区の雰囲気はいつまでも今のままであってほしいものである。
いかがであったろうか?
今後は2020年に向けてグローバル化が進む東京において、犯罪を単に居住者だけでとらえるのではなく、東京を訪れる人全体でいかに安全性を確保していくかが問われていくだろう。
